■“蛾”じゃないよ! トビケラ
川のそばに住んでいると玄関先などにもやってくることがある「トビケラ」の仲間。“蛾(ガ)”にそっくりな見た目から嫌われることが多いようですが、羽の鱗粉もなくまったく無害な存在です。夜、蛾に混ざって自動販売機の明かりにも群がっていたりする(カゲロウも来ます)ので、ますます混同されやすいですね。
ただ、虫が生理的に苦手な人にとって、嫌な存在なのは致し方ないと思います。特に「ヒゲナガカワトビケラ」は、体長も大きく存在感強めです。
幼虫はイモ虫のような姿で、これまた“気持ち悪い”かもしれません。しかしながら、長野県の南部、特に伊那谷周辺では「ざざ虫」として郷土食となっています。
名前が似ていてややこしいのですがカワゲラの仲間も種類が多いです。サイズも極小のものから、全長40mmを超える大型の種類も。飛んで来られると、ちょっとビックリするかも。
■不思議で謎が多い! 水生昆虫の世界
水生昆虫の幼虫は水中で暮らしているため、呼吸器官であるエラ(鰓)があります。魚のエラのイメージとは違って、ふさふさの毛のようなエラが、種類によって様々な場所に付いています。顔や胸周りだけでなく、脚やお尻に付いていたりします。なんだか奇妙ですね。きっとそこには何か理由があるのでしょうが、不思議です。
国内には、カゲロウやトビケラ、カワゲラ以外にもセンブリ、ヘビトンボ、トンボ、ユスリカ、ガガンボ……。ゲンゴロウやホタルもいますね。枚挙にいとまがないほどの水生昆虫が生息しており、それぞれに種類が多く存在(日本だけで約300種類いる仲間も!)します。
しかもまだまだ解明されていない種類も多くいるといわれ、名前が付いていなかったりするので、新種の発見の可能性も大いにあります。知らずに新しい種類を見つけているかも!