■美味しい駅弁と美しい眺めを堪能

 「SL大樹」は、東武鬼怒川線の下今市駅-鬼怒川温泉駅間で運行しているSL(蒸気機関車)で、2017年から運転を開始し、ほぼ毎日運行している。

下今市駅構内にある転車台

 13:01発のSL大樹5号に乗車することにしたので、下今市駅では45分ほど時間があった。改札内にはSL展示館や転車台広場があるから、時間つぶしにはちょうどいい。

 SL展示館はジオラマやSLの仕組みがわかる解説・写真などを展示。転車台はSLの向きを変えるために必要な設備で、どちらも無料で見学することができる。

 ちなみにこちらの転車台はJR西日本が所有していた国鉄時代のもので、山口県の長門市駅で使われていたそう。

下今市駅ホームに入線してきたSLと記念写真

 ホームで下今市駅に入線してきたSLをしばし眺める。こういうのも癒しの時間だ。黒い煙を吐き、力強く汽笛を鳴らす。電車とはまた違った魅力で、まるで生き物のように見える。

 こちらも乗車は3度目。SLは乗車してからのグングン、と引っ張られる感じの力強さが頼もしい。ただしうっかり窓を開けると、煙を浴びて真っ黒になることがある。そういうところも生き物っぽい。

下今市駅3,4番線上りホーム売店

 さらに下今市駅では、駅弁を買うのを忘れてはいけない。ホームにある売店に、あらかじめ予約しておいた駅弁を受け取りに行った。どこでも言えることだけど、駅弁を確実に買いたいのであれば、予約は必須である。

 先日、私が「駅弁マニア」として出演したテレビ番組(「熱狂!1/365のマニアさん」TBS系)でおすすめしたのは、2段重の「日光埋蔵金弁当」。今回はSL大樹の容器に入った「SL大樹日光埋蔵金弁当プレミアム」を選んだ。どちらも地元の駅弁業者「日光鱒鮨本舗」が製造している。

「日光鱒鮨本舗」https://masuzushi.com/

「SL大樹日光埋蔵金弁当プレミアム」

 「SL大樹日光埋蔵金弁当プレミアム」の中身、「日光鱒寿し」はこちらの名物駅弁。塩と米酢で締めたマスを、すし飯にのせたもので、間に生湯葉も入る。

 しっとりとした食感は、北陸地方の鱒寿司とはまた違う美味しさ。さらにおもしろいのはその食べ方で、付属の金のミニ刀を使って、まず鱒寿しを切りわけ、金のシャベル風スプーンで、それを掘り起こして食べる。さながら埋蔵金を探しているかのよう。

 現在、こちらの駅弁は販売休止中だが、7月に金・銀・黒の3種類のSL型で再販予定とか。