3月からの晴天続き、桜前線は雪国にも早足でやってきた。雪解けも急速に進んでいる。新潟県上越市にある桜の名所「高田城址公園」は、上野の「恩賜公園」、青森の「弘前城公園」とともに日本三大夜桜の一つに数えられる。周辺と合わせると約4,000本の桜が咲き誇り、日中はもちろん、夜桜見物の大人気スポットで県内外から多くの花見客を集めている。

 今年は4年ぶり、久しぶりに飲食や宴会も制限のない観桜会が戻ってきたということもあって大変な賑わいをみせている。生まれも育ちも上越市の筆者が、名物「スルテン」を片手に歩きながら、お勧めのお花見ルートを紹介する。

■ローカルが教える! 高田城址公園で押さえておきたいお花見ルーティーン

4年ぶりに飲食・宴会OKとなった観桜会。4月12日まで開催だ

 高田城址公園に着いたら、まずは時計台と噴水のある交差点に向かってみよう。駅側の交差点だ。その付近は日中、天気が良ければ桜と妙高山が望めるビューポイントだ。そこから北へ向かうと、風がなければお堀の水面に写る朱色のリフレクションが美しい「弁天橋」だ。夜空のサクラ、水面と夜空を飾るたくさんの“ぼんぼり”の景色も見逃せない。

 続いて橋から東へ向かうと、「市立歴史博物館」と「小林古径記念美術館」がある。その間にある広場は、まさにお花見にぴったりな広いスペースになっている。そこから南の方を向けば、お堀を挟んだ高台に高田城の三重櫓が見えてくる。お堀に映るサクラとお城に、今週は満月のセットも期待したいところ。

忠霊塔の横にたたずむ大きなシダレザクラは、ぜひ見上げておきたい

 そのまま南へ行くと遠目に城積みの土台の石積みに、立派な木造の橋の「極楽橋」が見えてくる。高台のサクラもライトアップされ、観桜会のポスターなどで見られる景色が見えるはずだ。「市立高田図書館」の方へ向かうと、また気持ちのいいお花見スペースがあり露店のお店も多数出店している。図書館の隣には「忠霊塔」があり、そこにあるひと際見事なシダレサクラは人気のカメラスポットだ。その付近から進行方向が指定されるサクラロードに入れる。

 空を遮るように育った桜の枝はライトアップされ、夜はしばし足を止めてしまうほど妖艶な美しさで、一番のハイライトだ。花はピークを迎えてしまったが、桜吹雪から葉桜へ。散り行く桜や水面の花筏(はないかだ)など、まだまだ楽しめる景色がいっぱいだ。

高田城址公園「観桜会」:https://joetsukankonavi.jp/kanoukai/

■穴場的! アクティブ派にもおすすめな関川河川敷道路

ラン&ハイク! そしてライドも。この時期はとても気持ちいい!

 県内外の車で来場する多くの人がよく利用する「関川河川敷」の臨時駐車場。その関川の両端に一般車両は通行できない河川管理道がある。川沿いを流れに沿って下っていけば、日本海まで繋がっている。山へ向かって行けば妙高山や南葉山などがよく見え、桜や新緑が眩しい、穴場の花見コースになる。

 橋ごとに車道を横断しなければならない箇所が数ヵ所あるが、アンダーパスで安全にストレスなく橋を通過できるので、小さなお子様連れでも安心だ。ベンチも所々整備され、コンビニも遠くないところにいくつもありとても便利。ハイキングやランニング、サイクリングが好きな人にうってつけ。春風の気持ちの良い季節、是非おすすめしたい。