長野県北部、長野市と白馬村の間にある小川村の山間にある桜の名所、「番所のベニシダレ桜」と「立屋のエドヒガン桜」が見頃となっている。

 「日本で最も美しい村」連合に加盟している小川村は、高台に上がると北アルプスの展望に優れた場所が多い。山の斜面のいたるところに桜の木があり、早春の山肌を彩っている。

 なかでも、桜の枝ぶりと色あいの濃さ、さらに北アルプスとの組み合わせで大人気なのが「峰街道」の立屋。写真映えするベストスポットは、一番上の広い駐車場付近。桜の木がびっしりとひしめき合う「桜山」越しの鹿島槍ヶ岳や五竜岳、残雪の山並みが見事なコントラストを見せる。

 桜を見物しながら下っていくと、「番所の桜」がある。樹齢60年以上のベニシダレザクラで濃い色合いと見事な枝ぶりが印象的だ。その昔番所(関所)があったという。その先には「立屋の桜」。樹齢350年以上のエドヒガンザクラで小川村の天然記念物にも指定されている。

 取材日は日曜日ということもあり、早朝にもかかわらず県内外から大勢の見物客が訪れていた。山並みと合わせた風景写真としても完成度が高い写真を狙えることから、こだわりの機材を抱えた写真愛好家の割合が高いのが、他のお花見スポットとの違いかもしれない。

 「綺麗すぎてどうしたらいいかわからない」という声も聞こえてくるほどの絶景。見事なまでにすっきりと晴れ渡った青空の下、それぞれのベストアングルを夢中で探っていた。

 地元の方々の厚意で駐車場が数箇所用意されているのだが、朝9時を過ぎる頃には全て満車となっていた。カーブの連続する山道ですれ違いしづらい箇所もあるので、慎重に運転したい。天気・気温にもよるが、あと数日は見頃が続きそうだ。