■早朝のすがすがしい空気の中、いざ東京湾へ!

朝7時。多摩川から東京湾へ(撮影:hal)

  朝7時。すがすがしい空気の中、準備を終えた釣り人が乗船してくる。船長、スタッフと挨拶を交わしライフジャケットを身につける。ライフジャケットはもちろん船で貸してくれる。

 「では出発しまーす」船長のアナウンスが響き、エンジンの音と共に船が動き始め多摩川河口からゆっくりと海に向かっていく。しばらく景色は倉庫や工場だが、徐々に視界が開けて東京湾に出る。

■ポイントまでは1時間半! 浦賀水道を越えていく

湾の中とはいえ、風のある日は波を頭から被ることも(撮影:hal)

 スピードを上げてかなりの水しぶきと共に約1時間半。スマホで地図を確認すると、浦賀水道を越えて房総半島の中程に向かっているのがわかる。

 甲板は寒いのと波が高く水しぶきがあり、到着のアナウンスがあるまで船室に退避。持参したポットのコーヒーを飲んでウトウトする。

 徐々にスピードが落ちてきた所で船長からポイント到着のアナウンスが入る。ここでまずは糸を垂らして釣果を見ながら船を少しずつ動かしていく。

ターゲットが釣れることを祈りつつ、いよいよスタート(撮影:hal)

 1投目。重量のあるオモリとリールに巻かれたカラフルな糸が海に吸い込まれていく。しばらくしてオモリが海底に届くと糸が止まる。すかさずリールを巻き上げ糸を張った状態にしてからゆっくりと竿をあおる。海底スレスレにオモリを落としてはまた引き上げるを繰り返し、海底付近にいる魚の注意を引く。

 オニカサゴ狙いにはサバの切り身をエサに使う。短冊切りになった皮側から針を突き刺すとエサが長持ちするのだ。そんなアプローチでしばらく海底付近を探るもののアタリはない。2投目も同様だ。

 「ポイント移動するので、1回上げてー」。船を移動させる際には仕掛けを回収するのがルールだ。仕掛けを投入したままで船が移動すると根がかり(海底の岩などに針が掛かってしまうこと)が起こったり、隣の人の仕掛けや竿同士が干渉してトラブルを引き起こしたりする。船がポイントに着いたら、船長の合図で再び糸を垂らす。