■コツン! ガクガクッ! ついに来たか……!?

電動リールは巻き上げる労力がいらないだけでなく、釣り糸が何m出ているかがわかるので便利。一度使うと手放せなくなる(撮影:hal)

 2投目、3投目、電動リールのメモリでは釣り糸が105mを示している。波のうねりで定期的に竿がしなるが、魚のアタリはもっと鋭いので見分けがつく。

 4投目、5投目、なかなかアタリはない。6投目、オモリが海底に着いたのを機にふわっと竿をあおって戻す。コツン! と竿が反応した。直後にガクッ、ガクガクッ! 竿先が大きく沈み込んだ。「来た!」 竿をあおってすぐに巻き上げる。途中、巻き上げのスピードを緩めて魚がきちんと針に掛かっているのかを確認。グッ、ググッ! 海面のはるか下で魚が針を外そうともがいているのが竿を通して伝わってくる。

 深い青緑の海中にピンク色の魚の影が見えてきた。慎重に釣りあげるとオニカサゴではなくウッカリカサゴだった。ウッカリカサゴとは、魚類学者が和名を整理していた際に「カサゴとの違いに気づかず、ウッカリした」ことに由来する。カサゴにとても似ているが別種。とはいえ味はオニカサゴに勝るとも劣らない美味な魚だ。本命ではなかったが、サイズもよく幸先の良いスタートとなった。

まな板の上のウッカリカサゴ。台所では大きく見える。慣れていないと捌くのに時間を要する(撮影:hal)

 その後、何度か同じアプローチでヒット数を稼ぎ、午前の部ではオニカサゴ3匹を釣りあげることができた。

釣りあげたオニカサゴ(一番右はウッカリカサゴ)。背ビレ、腹ビレ、尻ビレなどに毒があるので捌く際には気をつけないといけない(撮影:hal)