■スキーブーツメンテナンスの重要性

 シーズンが終了し、なんとなく水気を拭いてそのままスキーブーツを物置にしまっている方、要注意だ。スキーブーツはただの「履き物」ではなく、スキーヤーとスキー板をつなぐ重要な道具であり、同時にケガを防ぐためにメンテナンスは欠かせない。

 メンテナンスを怠ると最悪の場合、滑走中にブーツが破損したり、足元のフィット感が変わり、転倒につながるリスクが生まれる。ひび割れたシェル、劣化したインナー、外れかけたバックル、そうした小さな異変を見逃すと、大きな事故の引き金にもなりかねない。

 さらに、定期的な手入れによって、ブーツの寿命は確実に延びる。数万円〜十数万円するスキーブーツを長く快適に使うためにどんな手入れをすればいいのか紹介していく。

■シーズン中のスキーブーツメンテナンス

 スキーに行くたびに、雪と水分、汗と温度差にさらされるスキーブーツ。シーズン中は「履いたら終わり」ではなく、こまめなケアが重要となる。

滑り終えたら、ブーツ表面の水分をていねいに拭き取ろう

●基本のケア:滑った日の終わりにやるべきこと

 滑走後は、スキーブーツ全体の水分を拭き取り、ブーツのシェルからインナーブーツを取り出し、しっかり乾かそう。水分を残したまま放置すると、カビや臭いの原因になってしまう。また、ブーツのバックルは締めずに放置するとシェルが変形することがあるため、軽く締めて形を保つのがポイントだ。

あまりヒーターの近くで乾かしてしまうと、インナーが変形してしまうので要注意

●週末スキーヤーにもできる、週1メンテ

1. インナーの消臭・除菌スプレー
2. シェルのクラック(ひび)チェック
3. ソールのビスや滑り止めの緩み確認

 こうした「ひと手間」が、快適な滑走を支え、安全性を守る。毎回でなくても、定期的にチェックする習慣をつけよう。

■シーズンが終わったときのスキーブーツメンテナンス

シーズンが終わったら、いつも以上に隅々まできれいにしよう

 春スキーが終わり、道具はそのまま物置へ。ではなく、シーズン終了直後の手入れ次第で、来季の快適度が大きく変わるため、しっかりメンテナンスしよう。

●完全乾燥

 湿ったまま収納すると、インナーにカビが発生し、臭いや劣化の原因に。日陰の風通しのよい場所で1〜2日しっかり乾かそう。

●ブーツの清掃

 ソールに小石や泥が詰まっていないか、外側に傷や破損がないか確認しつつ、柔らかい布と中性洗剤で軽く拭く。

●防臭・防カビ処理

 インナーには消臭・抗菌スプレーを使用。心配な方は、市販の乾燥剤をインナーに入れておくのもおすすめ。

 このシーズン終了メンテをするかどうかで、翌年「気持ちよく履ける」か「カビ臭いブーツに苦しむ」かが決まるので、必ず実施しよう。