厳しい寒さ。いよいよ冬本番ですね。信州、長野(北信)では、年が明けてからも断続的に降雪が続いています。今季一番の寒さと予報されていた朝、絶景を求めて北アルプス(北部)を望む展望台へ足を運んでみました。
■手軽に寄り道! 道端の展望スポット「アルプス展望デッキ」
日の出の頃、朝7時の気温は−7℃でした。予報の割には暖かい? それでも、車を降りるとキーンと張り詰めた大気が鼻腔を刺激します。ここは長野県小川村、標高851mの地点にある「アルプス展望デッキ」。ちょうど良い距離感で北アルプス・後立山連峰が見渡せる絶景スポットとして人気のスポットです。「冬の北アルプス、迫力の大パノラマを見ることができる!」と言っても、実にお手軽なロケーションで人気の場所です。県道36号線「小川アルプスライン」の道路脇にあるので、車で来ることができるのです。
ほのかに白く、朧げに浮かび上がっていた山並みが徐々に薄紅色に染まっていきます。やがて色濃く見事な“モルゲンロート”を見せてくれました。神秘的な夜明けのショーは片時も目を離せません。寒さも忘れてひたすらシャッターを切り続けます。太陽が昇ると、いつしか赤みは消え、白く輝く峰々のパノラマが目線の高さに広がっていました。
■至れり尽くせり! 「アルプス展望広場」
光の当たり具合で絶え間なく変わり続ける白銀の山肌を見ていると、いつまでも立ち去りがたく、後ろ髪引かれる思いですが、実は近い距離で絶景スポットがもう一つあります。
来た道を引き返して下るとすぐ、「アルプス展望広場」に到着です。道路脇は一段高くなっていて、雪が積もった階段を上がっていくと奥には祠と東屋があり、北アルプス方面には親切で分かりやすい山座同定用の展望図があります。観光地でお馴染み、COVACの大型双眼鏡も設置されていますが、これは無料で利用することができます! 正面に爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳。さらに唐松岳を経て白馬三山……。真新しい雪に輝く荘厳な眺めです。山自体の見え方は先ほどとあまり変わりませんが、前景となる里の山々が変わるので、また表情が違います。
小高い丘のようになっているので、西側の北アルプスだけでなく、東側の四阿山(あずまやさん)や浅間山方面も眺めることができます。オレンジ色の光を浴びていると、しっかりと太陽の温もりを感じて気持ちもほっこりします。
清々しい一日の始まり。“早起きは三文の得”を実感しながら、展望台を後にしました。
冷え込むほど美しいのが雪景色です。降り積もる雪はときに災いともなりますが、景色を美しく見せる風物詩として、冬の信州に欠かせないものです。今週末にかけて気温が上昇するようですが、この冬は雪が多いと予想されています。滑りやすい雪道の運転は慎重に。くれぐれも余裕をもって安全運転で。