スノーシーズンも真っ盛りの長野県白馬村では、「霧氷」と雪景色が美しいコントラストを見せている。冬の風物詩ともいえる光景だが、厳しい冷え込みが続くこの冬は霧氷に出会える確率が高い。加えて、積雪量も多いので例年以上に幻想的な世界が広がっている。

 降雪がなくても木に白い花が咲いたように見える現象は、霧氷、樹霜、樹氷など……。微妙な発生メカニズムの違いで呼び名は違う。大気中の水分が過冷却されるような冷え込みが必要だ。“放射冷却”が見込まれるような、ひときわ寒さが厳しい朝に期待できる。

 村内でもとくに「神城」周辺は冷気が溜まりやすく、低温になりやすいエリア。厳冬期にはマイナス10度以下まで気温が下がることもしばしば。さらに姫川源流や周辺を流れる河川による湿度もポイントだ。川霧(かわぎり)が発生しやすいため、見事な霧氷ができやすい。写真映えするポイントでは、カメラマンたちが思い思いに霧氷を狙っている。

 白く霧の幻想的な白いベールがあたりを覆うなか、白く輝く霧氷の繊細な美しさが際立つ。奥には白馬の雄大な山並み。抜けるような青空とのコントラストには見惚れるばかりだ。

 霧氷は日射や気温の上昇により消えてしまう儚(はかな)い存在なので、朝の早い時間が勝負だ。早起きは三文の得! 条件が良さそうな日はなるべく急いだ方がいいだろう。

 2月に入っても寒さは続いている。まだまだ霧氷に出会えるチャンスはある。くれぐれもわき見運転には注意! 急ブレーキや路上に駐車することなく、周りの迷惑にならない場所で車を停めて、冬の幻想的な世界を楽しもう。