宝篋山(ほうきょうさん)は茨城県つくば市の北東部にある、標高461mの里山で、「西の富士、東の筑波」と称される茨城を代表する山、筑波連峰の支峰の一つである。宝筐山の山頂からは筑波山だけでなく、日本で2番目に大きい湖である霞ヶ浦や、関東平野など360度のパノラマ絶景を楽しめる。

 このような標高の低い里山は、夏は鬱蒼として暑さが厳しいが、冬は積雪や凍結の心配もなく、空気が澄んでいて虫も少ないので、冬のハイキングにうってつけなのだ。寒い季節にこそ楽しんでほしい里山冬ハイキング。都心からアクセス良好な里山「宝篋山」はハイキングコースがたくさん整備されており、地元の人に親しまれている。

 今回は往復3時間程度で森林浴を楽しみながら歩けて、山頂からの眺望も素晴らしい宝筐山の冬ハイキングの魅力を紹介しよう。

■冬の宝篋山ハイキング

 宝篋山ハイキングは常磐自動車道土浦北ICから約10分の位置にある宝筐山小田休憩所から始まる。ハイキングコースは全部で6コースあるが、今回は初心者でも挑戦しやすい「極楽寺コース」を選択。休憩所からは水田の脇にある小道を歩き、眼前に宝筐山を眺めながら歩いていく。

森林浴を楽しみながら山頂へ

 しばらくすると森の中に入り、沢の水音や木々が揺れる音を聞き、森林浴を楽しみながら山頂を目指す。途中、滝がいくつかあるので水音に癒されながら焦らずゆっくり足を進めて行こう。

 森の中で草木をよく観察してみると、晩秋から冬に実をつけるフユイチゴを見つけた。冬枯れの山で、真っ赤な実を見つけるとちょっと嬉しい気持ちになる。

地表を這うように実をつけるフユイチゴの実

 森の澄んだ冷たい空気を吸い込み、虫の少ない山の中を歩けるのが冬の里山ハイキングの醍醐味。体はハイキングで程よく温まるので、汗冷えしないように休憩時には上着をもう一枚羽織るなどの工夫をしよう。