キャンプ好きがハマりやすい「ギア沼」。気がついたらキャンプ道具が大量に増殖しているという謎の現象だ。

 筆者もキャンプを始めて10年以上経過したが、いつのまにやらギア沼に陥っていた一人だ。

 今回は増えすぎた道具の整理を行い、シンプルなギアリストとキャンプシステムを再構築してみた。

 ヒントとなったのは「UL(ウルトラライト)キャンプ」というスタイルである。

■ギア沼の原因

 まずはギア沼に陥った原因だが、キャンプを始めるとつい、あれがカッコいい、これが便利かも、と次から次へと欲しいものが出てきて、よく考えもせず買ってしまったことが大きい。それを10年以上続けた結果、案外使わなかったものが増えて場所を取ることとなった。どうも一時の感情によるミーハー的な衝動買いには注意が必要なようだ。

 またオートキャンプの場合、重くてかさばるギアでも車に載せてしまえばなんとかなるので、これも油断すると道具が際限なく増えてしまう一因となる。 

■ULキャンプに学ぼう

 UL(ウルトラライト)というキャンプスタイルをご存じだろうか。 もともとは登山やロングディスタンス・ハイキング(長い距離の自然道等を旅するように歩く)から生まれたもので、荷物を極限まで軽くすることで、身体への負担を減らし、より遠くへ、そして安全に移動することを可能にするスタイルのことだ。

 ウルトラライトは「超軽量」という意味だが、ベースウェイトと呼ばれる、食料や水、使い切りの燃料やゴミ袋などの必要な消耗品を除いた装備を徹底的に軽量化していく。

 軽量化のため、できるだけ余計なものは持たず、必要最低限の道具に絞り込むあたりはミニマリストにも通じる部分がある。

■ULスタイルをオートキャンプに取り入れるメリット

 ULは徒歩によるハイキングやキャンプのためのスタイルだが、オートキャンプでも道具を減らし、軽量化すると以下のようなメリットがある。

・車のエンジンの負担を減らし、ガソリン消費を抑える
・車の中が広くなり圧迫感がなくなる
・キャンプ設営と撤収がスピーディーになる
・整理する時間も余計な探し物も減る
・金銭面の節約になる

■キャンプ道具のUL化への手順

 UL化は余計な道具を減らすことが重要であるため、以下の手順で進めた。 

1. 手持ちのキャンプギアをすべて並べて、じっくり観察する

 まずはキャンプ道具を全部ブルーシートに並べてみたが、それにしても多い。所狭しと並べられた様は、なんだか刑事事件の証拠物品陳列のようだ。

 この時点でウンザリして細かいものまで数える気が失せたが、ざっと40以上はあった。我ながらよくもここまで蒐集(しゅうしゅう)したものだと、呆れかえったほどである。

 これらをよく観察すると、あまり使わないもののほかに、予備品のような同一商品や、機能的に似たようなもの、例えば厚みが違うシュラフや手袋などが複数あって、それが物品の多さに拍車をかけていることがわかった。

2. 機能や目的別に分類する

 さて、分類だ。道具の個数は多いが、目的や機能に注目すると大雑把な分類ができる。例えば、焚火コンロとガスストーブは「熱源」で、クッカーは「調理」であるが、これらは「食事のため」に収斂(しゅうれん)される。

3. 優先順位をつける

 次に何から優先して残すべきかを考える。寝食という言葉があるが、ここにフォーカスする。衣食住でいうなら食と住だ。要するに寝るための寝具と、食べるための調理器具を優先する。安全に関わるものも外せない。

4. 多機能を選ぶ

 1つの道具で複数の機能を兼任できると、道具の数を減らすことができる。例えば懐中電灯としても使える小型ランタンや、大小セットのクッカーで、鍋とフタ兼フライパンになるもの、などである。