12月から3月まで日本海側を中心に継続して雪が降る日本列島。北海道、東北、湯沢、群馬、信越、白馬とパウダーが狙える代表的な地域を俯瞰して、例年の積雪の概要と非圧雪バーンのあるスキー場などを中心に構成してみた。第4弾は信越編。野沢温泉、志賀高原、妙高などメジャーなスキー場も多いこのエリア。パウダーと温泉をセットにして楽しみたい。
■地域概要
長野県と新潟県にまたがるこの地域は、日本でも指折りの豪雪地帯だ。古くからスキー文化が根付いており、野沢温泉や志賀、妙高など日本を代表するスキーリゾートがある。その中心となるのは飯山駅。ここを中心におおよそ半径25㎞圏内にスキー場が集まっているのは他には類をみない。コンディションをみながら、その時の良い場所を狙えるのはこの地域ならでは。新幹線の開通をはじめ交通のアクセスも整備されたことによって、さらに首都圏からのアプローチも容易になった。
■気象条件と雪質
ハイシーズンはとにかく降雪が多い。一晩で1m近く降ることも稀にある。雪質は海が近いため湿気を含んだ雪になる。妙高から徐々に内陸へ入るごとに雪質は良くなり、標高2,000m近い志賀高原は、雪質も良く降雪量も適度にある。なお、降雪量が多いということはそのぶん天候も荒れる。これまでは1〜2月は大雪後に晴れ間がのぞくことは少なかったが、ここ数年は1月でも晴れ間の見える機会も多くなり、ハイシーズンのピーカンパウダーを味わうこともできる。
●ツリー・パウダー・地形の三拍子『ロッテアライリゾート』
日本海まで約15kmという距離だけに寒気が最初に山へぶつかる場所にあるロッテアライリゾート。標高1,429mの大毛無山に広がるボウル地形には8つの非圧雪エリアがある。スキー場の区域内はまるでバックカントリーのようなフィールドが広がる。
ロッテアライリゾートHP:https://www.lottehotel.com/arai-resort
●地形のうねりを感じる非圧雪コース『野沢温泉スキー場』
シーズンを通して積雪量も多く、36のコースを擁する「野沢温泉スキー場」。山頂から麓までの標高差1,085m。山頂部のやまびこエリアの非圧雪ゾーンはブナや白樺の林のなかを滑るツリーラン。地形のうねりが豊富で愛好者には定番コース。
野沢温泉スキー場HP:https://nozawaski.com/
●ツリーランの開拓者『斑尾高原スキー場』
2009年からツリーランエリアを拡げ続け、非圧雪コースを含むと全18のエリアとコースが自然地形のままに滑れる。ツリーランエリアは木々の間隔も適度にあり安心して滑れる。斜度が緩く滑りやすいコースも用意されビギナーにも最適。
斑尾高原スキー場HP:https://www.madarao.jp/ski
●標高2,307mのサラサラの雪質『志賀高原』
志賀高原にはそれぞれに個性が異なる全18のスキー場がある。なかでも熊の湯、横手・渋峠、焼額山、奥志賀高原が斜面の向き、雪質、非圧雪コースの多さでパウダーには適している。高い標高と水分の少ないパウダーはこのエリアでも別次元の軽さ。
志賀高原HP:https://shigakogen-ski.or.jp/
■このスキー場も侮れない
●関温泉スキー場
関温泉スキー場はリフト2基とコンパクトながらも、起伏に富んだコースはどこも滑りたい放題。積雪も豊富でスキー場の80%が非圧雪。
関温泉スキー場HP:http://www.sekionsen.com/
●シャルマン火打スキー場
立ち入り禁止区域以外は、ほぼどこを滑っても良いシャルマン火打スキー場。自然地形を存分楽しめる稀有な存在のスキー場。
シャルマン火打スキー場HP:https://charmant-hiuchi.jp/
●竜王スキーパーク
竜王スキーパークの標高は1,930m。最大斜度36度、全長1400mの木落しコースは内陸部特有のドライパウダーを長距離で楽しめる
竜王スキーパークHP:https://ryuoo.com/winter/
●YAMABOKUワイルドスノーパーク
標高2,076mの笠ヶ岳南斜面に広がるYAMABOKUワイルドスノーパーク。スキー場全体の7割が非圧雪というだけあって降雪後はパウダー派にはたまらない。
YAMABOKUワイルドスノーパークHP:https://yamaboku.co.jp/
■妙高山から広がるバックカントリーエリア
この地域の代表的なバックカントリーエリアは妙高山の前山と三田原山。前山は赤倉観光リゾートスキー場に設置されているゲートからアクセスできる。豪雪地帯として有名な妙高エリア。当然、ハイシーズン中は雪崩や遭難のリスクも高い。地元ガイドのツアーに参加すれば、その日の天候や雪の状況によってベストな斜面を滑ることができる。斜面はブナ林のツリーランが多く、妙高ならではのロケーションといえる。
【BRAVOSKI '22 vol.2 より再編集】