■脱水症状

ペットボトルや水筒が取りやすい位置にあるだけで、水分補給が楽になる(撮影:山下直人)

 脱水症状は体内の水分が不足することにより起こるため、こまめな水分補給で予防できる。リュックのベルトにペットボトルなどを装着できるギアがあると、歩きながらでも気軽に水分摂取できるのでおすすめだ。めまいや吐き気、脱力感など、脱水症状が出たら、安静にした状態で水分補給を行い、回復を待とう。

■膝の痛み

トレッキングポールなどのギアを使用すると、膝への負担を軽減できる(撮影:山下直人)

 膝の痛みは原因や症状が多種多様だ。歩行による膝への負担が痛みの発生原因となりやすいため、有効な予防方法としては、膝サポーター、登山用インソール(靴の中敷き)、トレッキングポールの使用がある。

 いずれも膝への負担を軽減する効果が期待できるが、特にトレッキングポールは、使用するのとしないのとでは膝への負担がまったく違うのでおすすめだ。もちろん3つを複合的に使用してもよいだろう。この3つの内で使用していないものがあれば、ぜひ試してほしい。

■突然の雨

 登山では、天気予報は晴れでも、突然雨が降ることがある。そのため、レインウェアは天気予報に関係なく常に持ち歩くことが大事だ。

 レインウェアは、雨や雪で服を濡らさないために着るウェアのことをいう。「防水性」と「透湿性」という2つの指標で性能を表現しているのが一般的。防水性は「耐水圧」という数値で表され、数字が大きいほうが雨の侵入をより防ぐ。登山では耐水圧2万mm以上が良いとされている。

 透湿性は、レインウェアの内側の水蒸気を外側に放出する性能のことで、数値が大きいほど内側が蒸れにくい。登山中は汗をかきやすく、蒸れて服が濡れてしまうため、この数値も重要だ。8000g/平方メートル以上は欲しいところだ。

■装備や工夫で安心安全な登山を

プチトラブルは簡単な装備や工夫で対応できる(図:山下直人)

 今回、ご紹介した定番プチトラブルは、登山をするならば、いつ遭遇してもおかしくはないものばかりだ。だが、準備と工夫を適切に行えば、決して怖いトラブルではないので、ぜひ安心安全に登山を楽しんでほしい。