今シーズン最強クラスと言われる寒波の到来で、北海道や北日本から西日本の日本海側を中心に大雪が降り続いている。各地で山の遭難事故も相次いで発生している。
本日、2021年12月31日。長野県小谷村の「栂池高原スキー場」のゴンドラ乗り場に隣接する「登山相談所」に勤務しながら感じたこと、冬山シーズン初頭の注意点などをお伝えしたい。
■登山相談所とは
夏山シーズン、秋の紅葉、年末年始などのバックカントリーや冬山。登山者が多く集中するタイミングで、長野県各所の主要登山口で開設される。
長野県山岳遭難防止対策協会(遭対協)のメンバーが、安全登山、遭難防止を目的に、長野県条例で定められている登山届けの確認やルートや装備の確認など、アドバイスや注意喚起の啓発活動をする。
■“賢明な判断” 降り続ける雪で入山者は極端に少ない
土地柄、冬は白馬・小谷エリアでは登山者よりも山スキー、いわゆるバックカントリー(スキー)目的の入山者が圧倒的に多い。コロナ禍以前は外国人も多く、バックカントリーの割合はさらに高まっていた。登山者はスキー場上部のロープウェイ運行後に増加する傾向だ。
それでも年末年始は、「正月山行」(※)を目的とした登山者も訪れ、例年なら雪中泊装備のパーティーも見受けられた。
だが、ここ数日はスキー場は賑わっていたが、管理区域外である“山”へ入る入山者は例年になく少なめ。とくに本日(12月31日)はガイド同行でわずかにいたのみだった。状況を鑑みると当然と言えるだろう。“賢明な判断”だ。
降り続けている雪はかなりの量になる。麓にいても風が強いのを十分に感じる。このまま1月1日にかけて降雪は続く見込みで、「大雪警報」も発令中である。
※ 山岳部や山岳会などで伝統的に行われる山行。休みの取りやすい年末年始に行われる。一年の感謝と新年の安全登山を願う目的も。山好きにとっては、初日の出を山で拝む楽しみもある。