国民の祝日は世界最多。それとは別にお盆休みと年末年始休みがあり、平均的な有休が20日、年間の週末は104日。すべて足すと、約150日と年に5ヵ月も休める国。
かたや、労働時間が世界一長く、睡眠時間は世界最短。有休消化率は最低レベル、「Karoushi（過労死）」が英語辞書に載る先進国トップの過重労働の国。
驚くなかれ、これは両方ともぼくたちの暮らす国、日本のことである。
ぼくはかつて、“漆黒”ともいえるほどハードな業界で15年の会社勤めを経験した。その後はフリーランスとなって、ニュージーランドの原生林に囲まれた湖の畔に移住し、「ワーケーション（在宅勤務）×自給自足」というハイブリッドで自由なワークスタイルを12年続けている。
そんなぼくの座右の銘は、「人生は3連休以上の休暇を取得した数で決まる」だ。
■休まないヤツがエライ？
「遅くまで働き、休まないヤツがエライ」
日本での会社員時代は、そんな非常識がまかり通る大手レコード会社で働いていた。30代で音楽アーティストのプロデュースという天職に出会い、ビッグヒットが年ごとに半減し続ける厳しい時代に、10回のミリオンヒットを創出することができた。
当然、超多忙である。それでもぼくは、過激なくらい休んでいた。なぜなら、前述の「社会人になっても、年に約5ヵ月も休める」という事実に、学生時代から気がついていたからだ。
働き方を軽くする技術を書いた新刊『超ミニマル主義（ダイヤモンド社刊）』のPRで帰国し、全国で20回以上の講演を行ったが、この事実を知っていた参加者は全会場でたった4名だった。
若い頃は「新人のくせに仕事をなめてる」と先輩や上司に叩かれた。ヒットメーカーと呼ばれるようになってからも、同僚から陰口を言われながらも、必死に休みを取っていた。
