コロナ禍の影響で、旅に出かけづらくなって早2年が過ぎました。今年の夏休みも旅に出たい気持ちを抑えて、大人しく過ごしている方は多いのではないでしょうか。

 今まで旅を生活の一部にしてきた写真家の根本絵梨子さんも、この流行病の影響を受けてきた1人。とくに、2020年の春先からは、先々の仕事や旅の予定がことごとくキャンセルとなり、悶々とした日々を過ごしていました。

根本さんはこれまでにさまざまな国を旅して写真を撮影してきた

 しかし、そこで持て余した時間を活用し、これまで撮影してきた「旅」の写真をSNSにアップしてみたところ、たくさんの友人から「写真に救われた。もっと見させてほしい」との連絡が届いたそうです。彼らの声を聞いて根本さんに湧いてきたのは、「私が旅先で撮影した写真を、家に飾ってもらうような機会を作りたい」という思いでした。

■思わず足を止めてしまう旅先の風景

思わず足を止めてしまいそうな風景

 夏になると北アルプスの山小屋で働いている根本さんは、その山小屋仲間の紹介で、海と山に囲まれた氷見の宿「HOUSEHOLD」と出会います。やがて、豊かな自然に囲まれた環境と旅への気持ちが重なり、この場所で写真展を開きたいと考えるようになりました。

写真展のフライヤー。さて、どこの景色でしょう

 写真展では、根本さんが旅した世界中の自然風景が展示されます。

 本人曰く、「旅先で思わず足を止めてしまう風景に出会うことがあります。それは必ずしも旅の目的地ではなかったりして、そんな時は予定を変更して『今日はここまでで良いかな』って思うんです。そんなことを感じさせてくれた世界中の自然の風景を選んでみました」とのこと。

 ランドマークな建物や山が写っているわけではないので、そこがどこかもわからない。しかし、思わず見入ってしまうような風景が集められています。

■写真家が仕掛けた「旅へのきっかけ」

フレームを手掛けるのは「MOBLEY WORKS(モブレーワークス)」

 しかも、展示される写真は全て購入することが可能。フレームは数々のカフェやショップの家具や什器を手がけている「MOBLEY WORKS(モブレーワークス)」により、ひとつひとつ制作されたもの。

 自宅に作品を飾る際に、家具のひとつのような感覚で家に馴染むように、とのこだわりが詰まっています。

元々あったかのように家に馴染む

 展示はすでに山の日からスタートしており、会期は9月7日(水)までとなっています。

 この写真展の開催情報を目にしたこと自体が、初めての町を知る理由となり、その町の食べ物や、まだ見ぬ山へ海への興味に繋がっていく。根本さんの仕掛けた「旅へのきっかけ」は、もうすでにあなたの中に芽生えています。

会期は9月7日まで

根本絵梨子 写真展 「今日はここまで」

会期:8月11日(木・祝)〜9月7日(水) *木金定休

時間:14:00〜18:00

会場::HOUSEHOLD 

住所::富山県氷見市南大町26-10

https://household-bldg.com