長野県諏訪市と茅野市にまたがる霧ヶ峰(きりがみね)は、標高1,925mの車山(くるまやま)を主峰に標高1,500〜1,900mの山々が東西10kmに広がる稜線の美しい高原地帯である。レンゲやニッコウキスゲなどの高山植物が豊かで、季節折々の絶景がみられる霧ヶ峰。11月上旬ごろまではススキと紅葉が見頃で、多くのハイカーで賑わっている。

 そんな霧ヶ峰は穏やかな起伏で山域の大半を草原が占めていることから、『日本百名山』の一座に選ばれており、さらに「登る山ではなく遊ぶ山」と称されている。

 今回は車山、蝶々深山(ちょうちょうみやま)、物見岩、八島ヶ原湿原といった霧ヶ峰の魅力を味わい尽くせる「霧ヶ峰周回コース(4時間30分ほど)」のトレッキングレポートを紹介しよう。

■車山肩から主峰、車山へ 

車山肩から車山へ向かう道。遠くに見える丸い建物が、車山山頂にある気象レーダー観測所(撮影:伏見みう)

 霧ヶ峰の周回コースは、霧ヶ峰南部の車山肩駐車場からスタートする。車山肩駐車場は中央道の諏訪ICから約30分走った標高1,800mの絶景を楽しめる高原ドライブロード・ビーナスライン沿いに位置する。駐車場には有料のバイオトイレがあるので、ここでしっかり準備を整え、登山届を提出してから登山に挑もう。

 車山肩駐車場から車山山頂までは傾斜の緩やかな登山道をゆっくり歩いて40分ほどで到着する。道中は常に展望が良く、黄金に色づいた草原やビーナスラインを眺めながら山頂へ向かう。

霧ヶ峰の最高峰、車山の山頂(撮影:伏見みう)

 車山山頂では360度のパノラマ絶景を楽しむことができ、八ヶ岳や南アルプス、北アルプスの山々や富士山の景色を楽しめる。

 また、山頂には車山神社が鎮座しており、4本の御柱(おんばしら)に囲まれている。車山山頂を目当てに訪れるハイカーも多く、みんな山頂からの景色を思い思いに楽しんでいる。

 山頂には展望台やベンチなども備えられているので、ここでゆっくり霧ヶ峰最高峰からの絶景を楽しもう。

車山山頂に鎮座する車山神社は4本の御柱に囲まれて荘厳な雰囲気を漂わせている(撮影:伏見みう)

【車山肩駐車場へのアクセス】
・中央自動車道諏訪ICから約30分。駐車台数は180台で料金は無料。

■【MAP】車山肩駐車場