■熊野三山

 次に、熊野三山と呼ばれる神社の紹介をしていこう。

 熊野本宮大社(旧社地の大斎原を含む)、熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ・神倉神社と御船島を含む)、熊野那智大社(青岸渡寺、補陀洛山寺、飛龍神社を含む)を指す。

 平安時代から、皇族・貴族の間に熊野信仰が広まり、京都から参拝に訪れるようになり、1619年、紀州藩主の徳川頼宣が熊野三山の復興に力を入れ、熊野信仰は最盛期を迎えた。

 天照大御神の弟で、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した神話で有名なを素戔嗚尊(すさのおのみこと)と、玉置神社と同様の伊弉諾尊・伊弉冊尊、天照大御神を主神として、12の神々が祀られている。

 熊野三山では、素戔嗚尊を家津美御子大神(けつみみこのおおかみ)、伊弉諾尊を熊野速玉大神(くまのはやたまおおかみ)、伊弉冊尊を熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)と呼び、神と仏とを調和させ同一視する「神仏習合」という思想のもとで、それぞれの神は仏としての名前も持つ。