■神秘的な鳥海湖を見下ろす

 登り始めて約2時間、7合目御浜小屋に到着。トイレもあり、一休み。ここから旧噴火口に水をたたえた鳥海湖を見下ろす。はるか遠くには月山(がっさん)も見える。ここの湖水は、かつての修験道者にとって神聖なお手洗いの水だった。湖岸まで道がつながっているが、往復約1時間かかるため、このまま歩を進める。

神秘的な鳥海湖(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 真正面に鳥海山を見ながら歩く。

だんだん大きくなる鳥海山(撮影:ブラボーマウンテン編集部)
季節の花が疲れを癒してくれる(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 外輪山の一角である七五三掛(しめがけ)で、道は千蛇谷(せんじゃだに)コースと外輪コースに分岐。今回は前者から登り、登頂の後に後者を下る。

千蛇谷雪渓。幅が短く傾斜も緩い(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 千蛇谷雪渓を斜めに横切り、右手に外輪山の内壁を見ながら登る。

外輪山の内壁。火口の中を歩いている実感が湧く(撮影:ブラボーマウンテン編集部)
千蛇谷を見下ろす。御室小屋まであと少し(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 山頂「御室小屋」に到着。奥に出羽の国一の宮である鳥海山大物忌神社(おおものいみじんじゃ)の本社がある。1400年以上前、欽明(きんめい)天皇の時代に創祀された。

 岩と岩の間を縫うように歩き、最高峰のある新山ドームへと向かう。今回の山行中、最も緊張する区間だ。