光岳登山情報です。

 雪は標高2200mあたりから出てきます。この頃の暑さで、どんどん雪解けが進んでいます。

 木道が痛々しいので、木道を歩く際はアイゼンを外してほしいです。静高平、小屋下の水場は問題ない水量が出ています。しかも美味しい。避難小屋として宿泊棟は開放中。お手洗いも使えます。しばらく無人になるので、使用後のトイレットペーパーはお持ち帰りください。分解しないので浄化槽の中には入れぬよう、ご協力よろしくお願いします。

■原画を頼みたい、あの人との思い出

鳳凰小屋で働いていた時代の私。足元の素足が気になります。腰に気をつけて…

 私は密かに、いつか山小屋オリジナルの手拭いを作りたいと思っていた。好きな人の作品を使ったお気に入りの1枚を、山小屋のはじまりのグッズにしたい。最初の1枚はこの人に、と以前から決めていた人がいる。切り絵作家の伊藤ミサさんだ。

 伊藤さんとの出会いは、かれこれ10年前になるだろうか。当時、わたしは南アルプス鳳凰小屋で働いていた。あるすこぶる天気のよい夏の昼下がり、小屋の前は人に溢れていて、日帰りの人、小屋に泊まる人、帰って行く人、行先の違うたくさんの人で賑わっていた。伊藤さんは縦走中で、ちょっと変わったギターを背中に背負っている人と一緒に小屋の前で休憩していた。

 当時のわたしは、今よりもさらに図々しかったから「おお、なんだか変わった人がいるぞ」とギターの人にぐいぐい話しかけた。そしてその甲斐があって、ギターの彼は泉谷しげるを快く弾いてくれた。

 あの日の小屋の賑わいと、あたたかな光の中の音や景色を今でも思い出す。しかし、伊藤さんから「私あの時、早く出発したいな〜って顔してたかも。ゴメンね」という話を、ずいぶん時が流れて親しくなった後に聞いた。