どこの家庭の台所にもある片栗粉。これ、「カタクリ」という植物から採れるでん粉である(だった)ことはご存じでしょうか。
では、カタクリの花を見たことがある方は? じつは、カタクリの花は山に春を告げる花で、今時期が見頃。登山者に人気の植物です。そのとっても可憐な姿を、少しだけ紹介しましょう。
■7年もかかってやっと花開く可憐な姿
カタクリはユリ科の多年草で、美しい紫色の花が特徴です。芽を出してから花をつけるまでには、なんと7年もかかります。そんなにかかるのに、花が咲くのは年間で1週間ほど。儚いですねえ……。
発芽すると本葉を1枚出します。この葉っぱ1枚の状態が6年ほど続きます。年々葉っぱが大きくなり、形が変わったりはしますが、基本はこのままじっと過ごすのです。
発芽から7年ほど経つと、葉が2枚になります。こうなると、ようやく花が咲く準備が整った証拠。葉の間から茎を伸ばし、可憐な花芽を1つだけつけます。つぼみはうつむき加減に、徐々に膨らみを増していきます。
ちなみに、カタクリは雑木林の枯れ葉や雪の下に群生しており、日当たりによって花の咲く時期は異なります。1つ見つけたら、周りにもきっと他の株が隠れているので、踏み潰さないように気をつけましょう。