■天気によって花の開き方が変わる!
天気の良い日になると、花びらを反り返らせて開花します。7年分の太陽を全身で受けようとしているかのような、気持ちの良さそうな咲き方ですね。花びらは外側に3枚、内側に3枚の計6枚。夕方になると花びらは自然と閉じます。
ようやく開花した株ですが、毎年花を咲かせるわけではありません。花と種を作るのにエネルギーを使い切ってしまうと、年によっては1枚葉に戻って花を付けずにパワーを溜め直すこともあります。寿命は15〜20年ほどと言われています。
ちなみに、曇りや寒い日は半開きになり、雨の日になると濡れるのを避けるように下を向いたまま開きません。反り返った姿も良いですが、このしとやかな姿もまた良いものです。
■現在の片栗粉に使われている原材料は?
昔は野山に咲き乱れていたらしいのですが、現在は自生数がとても少ない貴重な植物となっています。かつて、片栗粉はカタクリの鱗茎から採れるでん粉で作られていましたが、食用や滋養薬用に採取されたことで江戸時代末期に激減してしまったそうです。
この小さな株を見る限り、片栗粉1袋分の量を作るにはどれだけのカタクリが必要なのか想像すらつきません……。
そんな理由があり、現在の片栗粉は「じゃがいも」のでん粉を使って作られています。これ、意外と知らなかった方も多いのでは? ちなみに、じゃがいもとカタクリのでん粉は同じような性質を持っていますが、花は全く似ていません。
カタクリを使った片栗粉が手に入らないかも調べてみたのですが、現在市販されているものは見つかりませんでした。片栗粉はじゃがいもに任せて、カタクリは山で花をじっくり愛でるとしましょう。