秋が終わり、いよいよ冬キャンプのシーズンとなってきた。焚き火で暖を取り、温かい食べ物を食べて過ごす冬キャンプは、ほかの季節と違い冬ならではの楽しみ方も多い。

 その一方で、厚い寝袋や毛布、灯油ストーブなど荷物も多くなってしまう。荷物の運搬やテントの設営で中腰での作業が多く、腰を痛めてしまった経験があるだろう。筆者も、キャンプ初心者のときは、慣れない作業が多く翌日の腰痛に悩まされていた。

 そこで、理学療法士として働いている筆者が、腰痛に悩んでいるキャンパーの方々にキャンプをより一層楽しんでもらえるよう、キャンプ中にできるストレッチや体操を紹介しよう。

■腰痛の原因

 腰痛の原因は、大きく分けて3つある。
1. 脊柱やその周りの筋肉に由来するもの
2. 内臓諸臓器の疾患による関連痛
3. 精神的・心理的要因といった精神科領域疾患に伴うもの

 体操やストレッチで改善できる部分は、1番目の「筋肉に由来するもの」である。既存の腰痛疾患が無ければ、キャンプ中に引き起こされる腰痛のほとんどが、筋肉に由来するものと考えられる。

 腰痛を引き起こしていると考えられる筋肉に対し、ストレッチや体操を5つ紹介していく。また紹介するストレッチは、全てキャンプテント内で行えるため、マットやコットンの上で試してほしい。

■体操を行う前の注意点

 ストレッチや運動をしている場合は、呼吸は止めないように注意しよう。息を止めると血流の流れが悪くなり、逆に筋肉が固くなってしまう場合がある。そのため、呼吸を止めずに運動するために、体操中は秒数や回数を口に出しながら行う。

 また、ストレッチは、伸びている筋肉を感じながら行うと良い。筋肉が伸ばされることで痛みが出るが、我慢できる範囲で行おう。無理に行うと返って筋肉が固くなってしまう。