■ダッチオーブンといえば、ロッジでしょ

 それから20年後、30歳になった私はシーカヤックのツアーでお客さんの食事を作るために真っ黒なダッチオーブンを使うようになった。カヤックを漕いだ先で上陸した無人の浜や河原で火をおこし、いつかの西部劇の登場人物のようにダッチオーブンを火にかける。使っていたのは、今も変わらずアウトドアギアやカヤック機材でお世話になっているエイアンドエフ社が取り扱う「ロッジ」のもの。「ダッチオーブンといえば」なブランドである。

蓋の上に炭を乗せれば、オーブンのようにも使える。上級者テク!

 さらに時は流れ、フリーペーパーでキャンプ料理の連載を始めることになる。考えてもいなかったキャンプ料理の連載仕事。やるからには試行錯誤を繰り返し、様々な料理を勉強した。様々なアウトドア調理道具がある中でも、出番が多かったのは、やはり「ダッチオーブン」。当時もダッチオーブンを使ったレシピの回は反響が大きかったため、毎回のように登場していたように思う。

 その後、「新富士バーナー」がステンレスでダッチオーブンを作ることになり、ハンドルや取手などの仕様について意見交換し、製品企画に参加させていただいた。ステンレス製なので、面倒なメンテナンスの必要がない優れものだ。

ワイルドに直火にガンガンかけられる丈夫さも魅力