■広い空とスリルある瀬を楽しむ

 犀川に合流すると、先程までの狭い空間から一転して一気に空が開ける。天気がよければ、北アルプスの山々を眺めながら下ることができる。この時の開放感も、この旅においておすすめポイントの一つだ。また、橋を越えた先のカーブには、増水時には迫力のある瀬も楽しめる。その先の右岸に龍門淵公園があるため、ショートコースの人はここをゴールにしてもいいだろう。

犀川合流直後。空が広い!

 龍門淵公園から先は、とうとうとした流れの中を優雅に進んでいく。時折カーブの場所に大きな瀬も現れるため、ある程度経験を積んだ状態で挑んでもらいたい。そして事前に確認しておいた目印を確認し、ゴールの川原(中村マレットゴルフ場跡)へと到達する。

 日常的な水路から始まった旅は、原生林クルーズを経て日本の原風景と出会い、わさびソフトにツーンとなったあとは美しき湧水にジーンとなり、そして開放的な世界で優雅に瀬を楽しむ。これだけのことが、わずか8kmの中に詰まってる川を僕は他に知らない。しかも夏でも堂々と下れるとあって、とても貴重な川だといえる。

 以前僕は、槍ヶ岳に登ってから、下山後にここに直行して万水川を下ったことがある。それは源流から麓の川までをつなぐ、なんともダイナミックな旅だった。そのような組み合わせで、この川を楽しむのも、おすすめの川旅のスタイルである。

※湧水のエリアは個人所有の土地を流れています。周辺を踏み荒らしたり用を足したりなど絶対にしないようにお願いします。

※2021年8月現在、犀川との合流付近より上流約200mの地点に危険な倒木があります。最新の情報は下記Facebookグループにてご確認ください。

万水川・犀川パドラー連絡帳(https://www.facebook.com/groups/449274198818414