■初めてでもバテない! 上手な歩き方

靴底全体で着地する「フラットフッティング」が基本の歩き方

コージー:「だいぶゆっくりと歩くんですね」

杉本:「最初はおしゃべりができるくらいのゆっくりペースがちょうどいいです。息が切れるペースは速すぎますよ」

コージー:「登山道って、木の根や凸凹があって歩きづらいんですね!? 段差が大きいところもあるし」

杉本:「平地を歩くときはカカトから着地すると思いますが、登山道では歩幅を狭く、靴底全体をフラットに地面に置きましょう。重心移動もポイントです」

段差では、出した足にしっかりと重心移動する。股関節を曲げて上体を適度に前傾させると安定する

●「登り」での基本の歩き方

● 歩き方
靴底全体で地面をとらえフラットに着地する。踏み出した足にしっかりと体の重心を移動させてから次の足を出す。歩幅は平地で歩くときよりも小さめに。
● 歩行ペース
特に最初の30分程度は、体を慣らすためにゆっくりと歩く。「おしゃべりができる」ペースを目安にしよう。その後も息が上がりすぎない「無理なく呼吸できる」ペースを維持する。
● 急登の登り
急登ではさらにペースを落として、ゆっくり歩く。息が苦しくなったら立ち止まって呼吸を整えよう。

■登山道の分岐は要注意! 必ず一度立ち止まって

飲み物や軽食が充実した福ちゃん荘。生ビールは下山後のお楽しみ

杉本:「福ちゃん荘に着きました。少し休憩しましょうか」

コージー:「水を飲んでもいいですか?」

杉本:「もちろんOKです。ただし一気飲みはせず、少しずつ飲んでください。気温や汗の量にもよりますが、目安は1回の休憩で200~300ml、つまり2~3口です。お腹がすく前に、行動食も少しずつ口にするといいですよ」

コージー:「食べたり飲んだりするのにもコツがあるんですね」

杉本:「一気にたくさん飲むと、余分な量が尿として排出されてしまいます。少しずつ水分補給をすれば、効率よく体内に吸収されて汗として出て行くんですよ。コージーさんが心配していたトイレ問題も、水分補給の仕方で対策できます」

行動食の例。エネルギーとなる高カロリーなものと、塩分を補えるものが適している。疲労回復に役立つクエン酸を含んだレモンや梅干しもいい
多くの山小屋では飲料や軽食を販売している。この日は冷やしトマトもあった(写真は福ちゃん荘)

コージー:「今日は暑いし、水がなくならないかちょっと心配です」

杉本:「今日のコースには、いくつか山小屋があります。山小屋には売店があるので、もし水や行動食がなくなったらそこで補充もできますよ」

●休憩の取り方

● 登りが続く場合は、30~40分に1回くらいを目安に休憩する。
● 休憩は、なるべく地面が安定した広い場所を選ぶ。登山道を塞がないように注意しよう。暑い日は日陰、寒い日は日向を選ぶといい。
● 休憩時は、水分、行動食などをこまめに補給する。
● 衣服調整は、寒い日は体が冷えないよう、休憩中は上着を着てもいい。休憩時以外でも面倒がらずにこまめに脱ぎ着しよう。
分岐では必ず立ち止まって地図や進む方向を確認しよう

杉本:「さて、出発前に地図を見ておきましょう。福ちゃん荘からは道が別れます。このような分岐点ではいちど立ち止まって道を確認する作業が大切です」

コージー:「分岐は道迷いをしやすい場所でしたよね」

杉本:「おしゃべりに夢中になっていたり、他の人についていったりして、間違った道に進んでしまうパターンが多いようです。次の目的地や正しい道を確認しましょう」