50代。人によっては生活や仕事に少し余裕が出てきて、生涯続けられる趣味を新たに始めたいと思う年代だ。そんな趣味のひとつとして「登山」を考える人も少なからずいる。駅のポスター、電車の広告で目にする雄大な山岳風景。あんな景色を間近で眺めたら、どんな気持ちになるのだろう――。
本サイト、ブラボーマウンテン編集部のコージー中嶋もそんな一人。本格的な登山を始めるにあたって、あらためて教えを請うべく登山ガイド・杉本晴美さんの扉を叩いた。
■今回の「50代から始める山登り」企画 登場人物プロフィール
50代男性。編集者。これまで主に経験したアウトドアと言えば釣りやマリンアクティビティなど。ブラボーマウンテン編集部に配属されて早3年、美しい山の写真を見続けるうちに登山にも興味が出てきた。家族と高尾山に登ってみたが、観光地っぽくて「登山」という感じではなかったというのが正直な感想。もうちょっと本格的な「山登り感」を味わってみたいけど、どのようにデビューしていいか悩んでいる。
登山ガイド・自然ガイド「山音」主宰。静岡山岳自然ガイド協会理事(副会長)。神奈川県出身。学生時代に過ごした長野の風景に魅せられ長野県信濃町に移住。「安全に自然を楽しむ山歩き」をモットーに登山・自然ガイド、スキーガイド、自然体験活動指導などを行う。上信越エリアや北アルプス・八ヶ岳を中心に低山から高山帯の山歩き、冬季は黒姫や戸隠、妙高、鍋倉などでスノーシューやスキーのガイドを行っている。
ブログ「黒姫TIME」:https://mngyamane.blog.fc2.com/
■50代の中高年からでも登山を始められる?
コージー:「杉本ガイド、よろしくお願いします。いざ登山を始めるとなると、いろんな不安が湧いてきます。今日は登山に必要な心構えや準備を教えていただきたいです」
杉本:「はい、よろしくお願いします。まず、中高年に限らずですが、とりあえず独学で始める人と、ガイドや経験者に連れていってもらう人に分かれるように思います。コージーさんはどんなスタイルで登山をしたいですか?」
コージー:「自分ひとりでも安全に山に登れるような、自立した登山者になりたいです」
杉本:「いいですね。ガイドツアーに参加するとしても、基本的な登山の知識は身につけることをおすすめします。ぜひ目標をもって学んでいきましょう。登山を始めるにあたって、コージーさんがいちばん不安に思っていることはなんですか?」
コージー:「お恥ずかしい話ですが、頻尿ですね……。50代になってからの深刻な悩みなんです」
杉本:「トイレ問題は、水分の種類や補給の仕方などである程度コントロールできますよ。詳しくはまた説明しますね。体力面はどうですか? 普段から何か運動をしていますか?」
コージー:「釣りやゴルフをやっています。まぁ、ゴルフはカートに乗って移動しちゃうんですが……。あとは週2回くらいスポーツジムに通って水泳と筋トレをやっています」
杉本:「目安として、平坦な道を1~2時間くらい歩ける体力があれば大丈夫。体力面も準備なしではケガにつながる可能性があります。体力や筋力アップのために普段から体を動かしましょう」
コージー:「先日、高尾山に登ったときは問題なく歩けました。大丈夫だと思います!」
杉本:「もうひとつ確認したいのが、持病の有無です。持病があれば医師に相談してみてください。数は少ないですが、登山外来を設けている病院もあります」
●登山を始めるにあたってCHECK!
日帰りだけでなく山小屋泊、テント泊もしたいか。雪山登山やクライミング、スキーなども視野に入れているか。目的によって必要な装備や技術が変わってくる。
☆ 個人か、グループやガイドツアーか
いきなり個人で始めるよりも、最初はガイドや経験者と一緒に行くのがおすすめ。プロガイドは豊富な経験と知識をもとに安全管理をリードしてくれるが、すべてを任せきりにするのは心構えとして間違いだ。「自分の行動は自分で管理する」のが登山の基本。登る山やルートについては事前に調べておこう。
☆ 登山デビューに必要な体力はあるか
平坦な道で1~2時間は歩ける体力を身につけておく。
☆ 持病の有無
必要なら医師に確認する。(登山外来など)