■美しい清流と樹齢1800年の「仏陀杉」

コース後半の主役である「仏陀杉」。何世紀もの間、この森を見守り続けてきた圧倒的な存在感だ

 つつじ河原でゆっくり休憩したあとは、コースの後半戦へと向かう。再び荒川を渡るために「沢津橋」という吊り橋を目指す。このあたりの川の水は美しいエメラルドグリーンで、橋の上からの眺めも格別だ。吊り橋を渡り返した先はゆるやかなアップダウンが続き、やがてヤクスギランドを代表する名樹「仏陀杉」がそびえるポイントに着く。

 高さ25.3m、幹の周囲は8.1m、推定樹齢はなんと1800年とされている。幹にはゴツゴツとしたコブがあり、その姿が仏像のように見えることからこの名がついたという。しかし、幹の内部には空洞が多く、現在は「木が弱ってきている」という説明書きが添えられていた。

仏陀杉から先へと続く遊歩道。足元には歩きやすい木道が整備されている

 仏陀杉のすぐそばには休憩所が設置されており、ここを過ぎたあたりから、道は再び歩きやすい遊歩道に戻る。この先はさまざまな散策ルートが交差する分岐が多くなるので、設置されている看板の案内を確認しながら出口へと向かう。出口までの道中にも、まだ見逃せないポイントが続いている。

若い「小杉」があるエリアはこころなしか差し込む光が明るい
寄り添うように並び立つ「双子杉」。若い「小杉」がこれから巨木へと育っていくのだろう
木と木が合体して不思議な形になった「くぐり杉」。出口へといざなうゲートのようだ

 屋久島では樹齢1000年以上のものを「屋久杉」、それ以下のものは「小杉(コスギ)」と呼び分けている。ちょうどこのあたりは、江戸時代に木が伐採されたことで森に光が入り、若い「小杉」が多く自生しているエリアだ。その「小杉」が切り株から2本育ったものが、次に現れる「双子杉」だ。仲良く並ぶ姿がほほえましく、森の再生や世代交代も感じられる。

 続いて現れるのが、スタート付近にあった「くぐり栂」を彷彿させる、ゲートのような「くぐり杉」だ。倒れ込んだ木が下の木と合体したことでこうした不思議な形になり、遊歩道はこの真下を通り抜けるようになっている。これを抜けると出口はもう間近だ。

世界自然遺産の深い森をゆっくり歩けるヤクスギランド。さまざまなコースを歩いてみたくなる

 今回歩いたつつじ河原コースは、屋久島らしい深い森と清流の美しさを満喫できるだけでなく、江戸時代の歴史の痕跡にも触れられる楽しいルートだった。なにより、登山初心者でもトライしやすい行程というのも、このコースのポイントだろう。

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<おすすめルート>
入口 → くぐり栂 → 林泉橋 → 千年杉 → 荒川橋 → 苔の橋 → つつじ河原 → 沢津橋 → 仏陀杉 → 双子杉 → くぐり杉 → 出口
(所要時間:1時間20分)

※2026年9月現在、ヤクスギランドでは台風被害の影響により、コース出口手前の「くぐり杉」の先に「臨時出口」への迂回路を設けています。詳細は公式サイトをご確認ください。