各地の山で紅葉が見頃を迎えています。首都圏から日帰りで登れる山のなかでも、紅葉と登りごたえの両方を楽しめる日本百名山が、新潟県南魚沼市と群馬県の県境に位置する巻機山(まきはたやま)です。
標高1,967mの山頂を目指す登山道では、ブナの森から色づいた山肌、そして草紅葉が広がる稜線へと、景色がドラマチックに変化していきます。10月の連休直前に登ってみると、山はまもなく紅葉のピークを迎えそうな雰囲気でした。
今回は、実際に歩いたルートの見どころと注意点を紹介します。
■ブナの森から草紅葉の稜線へ。標高1,967mの日本百名山
巻機山は、越後の山々らしい豊かな自然と、山頂付近に広がる穏やかな稜線が魅力の山です。登山口から標高差1,300m以上を登る本格的な山ですが、その先には池塘(ちとう)が点在する草原や、周囲の山々を見渡す絶景が待っています。
秋の見どころは、標高によって移り変わる紅葉の景色。登山口付近ではブナを中心とした広葉樹の森が色づき、標高を上げるにつれてナナカマドやダケカンバなどの紅葉が現れます。さらに山頂付近では、草紅葉に彩られた開放的な稜線歩きが楽しめます。
■一般ルートでも歩きごたえ十分「井戸尾根コース」へ
巻機山には、一般登山道として知られる井戸尾根コースのほか、ヌクビ沢や割引沢などを通る難易度の高いルートがあります。沢沿いのルートは岩場や渡渉などの危険箇所があり、十分な体力と登山技術が必要です。
今回選んだのは、もっとも一般的な井戸尾根コース。桜坂駐車場を起点に山頂を往復するルートで、標準コースタイムは約8〜9時間、標高差は約1,370mです。一般的な登山道とはいえ、急登が続くため、体力と時間に余裕を持った計画が欠かせません。
登山は桜坂駐車場からスタート。取材日は平日でしたが、早朝6時には駐車場がほぼ満車になっていました。
歩き始めてすぐに、この山の魅力の一つである豊かな紅葉樹の森が迎えてくれます。ブナがつくり出す木陰のなか、落ち葉を踏みながら登るトレイルは気持ちのいいものです。
六合目の展望台まで登ると視界が開け、割引岳(わりめきだけ)や天狗岩を望めるようになります。さらに標高を上げると、ニセ巻機山へ続く斜面に美しい紅葉が広がり、谷川岳方面へと連なる山並みも見渡せます。
個人的に、このコースでもっとも体力を使うと感じたのが、七合目付近から九合目のニセ巻機山へ続く登りです。階段状の道が続き、一定の歩幅で登り続けるうちに、じわじわと疲労が蓄積していきます。日差しがある日は10月でも暑く感じるため、できるだけ涼しい早朝に登り始め、水分補給をこまめに行うのがおすすめです。