■大仏殿の裏側から東大寺へ
東大寺は奈良盆地の東のふち、若草山のふもとにあります。『古事記』には、大和を『たたなづく 青垣 山籠れる』として、重なる山々に囲まれた土地であると記されています。
大和青垣のふもとにある東大寺に向けて走ると山々が迫ると同時に、シカの数もじわじわと増加。散走して見えてきたのが参道の入口にあたる「大仏殿前」の交差点です。
表玄関にあたるせいか大勢の参拝者で賑わっています。境内は自転車で走ることはできないため、まずは時計回りでまわりの寺町を走ることに。
寺の周辺の道は道幅が細く曲がりくねっており、駐車場も少なめ。そこを世界各国からの参拝者がそぞろ歩くため、クルマでは走りにくそうです。小回りのきくミニベロなら気になった土産店やカフェを見つけ次第、気軽に立ちどまれるのでストレスフリー。フットワークの軽さも「ゆる6」の魅力と言えます。
自転車を南大門の近くにある駐輪場に停めて大仏殿へ向かうと、拝観希望者が長い列を作っています。
「大仏を見ない奈良の旅ってあり?」とも思いましたが、売店の方の「大仏様はいつでもいらっしゃいますよ」という言葉に腹落ち。世界遺産の地元だけあっていいこと言うなぁと思わずにはいられません。
大仏様や国宝の金銅八角燈籠は次回の奈良旅までおあずけとなりましたが、東大寺よりさらに東の山の辺縁に鎮座する手向山八幡宮の鳥居など、名蹟を観光することができました。
とくにみごとだったのは、東大寺の南大門です。8世紀に創建されたオリジナルは平安時代の台風で倒壊したものの、いま我々が見られる門は1203(建仁3)年に金剛力士像らとともに完成。土台からの高さが25.46メートルあるという重層門は、国内で最大級のものなのだとか。
そして今回どうしても見たかった“東大寺の仁王さま”こと、南大門金剛力士像のお姿もしっかりと見学。仏師の運慶と快慶らの作と伝わる2体はそれぞれ、口を開いて『阿』を表す阿形像と、口を閉じて『吽』を表す吽形像。境内に邪気が入るのを防いでいるのだそうです。
そして仕上げには、東大寺のすぐ近くにある「奈良博」こと奈良国立博物館で国宝や重要文化財を浴びるように鑑賞。
合計2時間程度のごくごく短い自転車旅でしたが、入り組んだ道のそこかしこに見どころが点在する世界遺産の古都・奈良は、ミニベロで回るのにもちょうどいい街だと感じました。
走り終えて改めて地図を見返すと、二月堂や正倉院、春日大社など、東大寺からポタリングで楽々回れるエリアには、一度はこの目で見てみたいと願う名所がずらり。「また来たい」、というのが、東大寺周辺を自転車でひと回りした実感でした。
●【MAP】東大寺