旅行や出張などで見知らぬ土地を訪れるたびに「いいところだなぁ」としみじみ思うものですが、旅の解像度をより高めてくれるのが自転車散歩のポタリング。

 歩く速度以上、クルマ未満の旅道具である自転車をクルマに積めば、自走ではいけないような場所でもポタリングが楽しめるという、クルマに自転車をプラスしたカルチャーが、今回紹介する「6ホイール・ライフ」です。

「ゆる6」に向くミニベロ(小径車)や折りたたみバイクならミニバンラゲッジの隙間にも積載可能。車輪を外せるモデルなら大抵車載ができるはず

 あえて総走行距離にはこだわらず、あくまでキャンプや釣り、出張などの“ついでに”ユルく気軽に楽しむ「ゆる6輪の旅」を連載で提案。第1回は東京23区随一の水郷ボタニカル公園「水元公園」で、水辺一周のゆるポタリングを楽しみました。

■「ゆる6輪」用の自転車は(積めれば)何でもいい

 クルマと自転車のイイトコ取りの「ゆる6(ろく)」ですが、車載可能な自転車さえあればすぐにでも始められます。

 大切なのは移動中の車内でグラつかないことくらいで、筆者の場合は荷物固定用のロックストラップ2本でラゲッジに固定しています。

今回の「ゆる6」車両は英国の名車ブロンプトンの「Cライン・アーバン」。ギアは2速のみだが、サクサク軽快な走りと唯一無二の折りたたみビリティが魅力

 筆者の「ゆる6」用車両は、短距離の場合はホイールサイズ16インチのブロンプトン、起伏が多く距離が延びそうな場合はタイレルの20インチを愛用。今回はよりお気軽なブロンプトンをチョイスしました。

■東京・埼玉の県境の水郷を時計回りに一周

 突然ですが、自転車界隈には「ビワイチ」や「カスイチ」という言葉があります。

 “琵琶湖や霞ヶ浦の湖畔を一周する”という意味で、欧米では湖沼の周回ライドは「Lake Ride」や「Lake Loop」と呼ばれる人気アクティビティなんです。

比較的涼しい時間帯にサクッと走れるのも「ミズイチ」の魅力

 とはいえ、総走行距離は琵琶湖なら約200km、複数のコースが取れる霞ヶ浦でも90~130kmとなかなかのもの。達成感が高い分、時間的にも体力面でもかなりの覚悟が必要です。

 一周約10kmの水元公園、つまり「ミズイチ」ならは、「とにかく水面を自転車で一周したい」という気持ちを1時間も掛からずに満たしてくれるというわけなのです。