ブームからカルチャーへと成熟しつつあるロードバイク。ですがなかには、やむにやまれぬ事情でロードバイクを諦めている人も少なくないはず。
著者は引っ越しのため置き場に困り泣く泣く手放した一人で、「もう一生乗れないかも」と諦めていましたが、折りたたみ式ミニベロで再デビュー。四国のファクトリー「Tyrell(タイレル)」で出会った、コンパクトも走りも妥協しないハイエンドミニベロロードバイクの世界を紹介します。
■折りたたみミニベロなら置き場所問題も華麗にクリア
自分の脚でペダルを回し、遠くの景色を見せてくれるロードバイク。信じられないほどの速さで思いがけないほど遠くへと連れて行ってくれますが、駐輪スペースがないなど置き場所の問題で所有を諦めている人も少なくないはず。
筆者は住まいが手狭になり長年乗り親しんだロードバイクを手放しましたが、折りたたみのミニベロで再びロードバイクの世界を楽しもうと決意しました。
スキルはないものの、走行性能には妥協したくない。そこで選んだブランドが、四国は香川県に本拠地を置く「タイレル」です。ミニベロを中心にラインアップするタイレルのなかでも、ハイエンドの折りたたみ式モデル「FCX」をお迎えしました。
「スピードではなく、自転車と対話する楽しさ」を追求するというコンセプトを持つ「FCX」は、20インチ(451サイズ)のホイールを持つ、フォールディングタイプのミニベロです。
複雑に交差したフレームを構成するパイプは、クロームモリブデン(クロモリ)鋼を採用したスチール(鉄)製。
フロントフォークはカーボンファイバー製で、F-1マシンのボディモノコックと同じ「オートクレーブ」と呼ばれる製法を採用するというこだわりぶり。カーボンファイバーの繊維を手作業で金型に敷き詰めるレイアップを経て、圧力窯(オートクレーブ)で熱を加えながら成形。フレームとフォークはともに、職人によって一本一本手作りされています。
気になる折りたたみサイズは、全長87cm×幅32cm、高さ77cmとコンパクト。キャンプ道具と一緒にミニバンのラゲッジにも積み込むことができるので、狭小住宅に暮らす筆者にとってクルマに収納できるというのも嬉しいポイントなんです。
■ミニバンにFCXを積み込み「しまなみ海道」へ
FCX納車のため訪れた際、香川のファクトリーを見学させていただきましたが、ハイエンドモデルであるFCXのフレームとフォークは、この工場で完全ハンドメイドされる“メイド・イン・讃岐”といえる逸品。
受け取ったFCXをクルマに積み込み、憧れていた愛媛の「しまなみ海道」へ向かいます。
デビューライドに選んだしまなみ海道サイクリングの起点は、愛媛側の自転車観光の拠点「サンライズ糸山」。
アプローチの坂道をスルスルと登ると、「これぞしまなみ海道」という景観の3連大橋「来島(くるしま)海峡大橋」にたどり着きます。夢にまで見たサイクリストの聖地として名高い瀬戸内海のパノラマが眼の前に開けます。