■アユイングに必要な道具
筆者自身は友釣りが中心だが、アユイングをまったく別のものとは思っていない。むしろ、アユの習性を理解するうえでも、そして状況によってはオトリアユを確保するうえでも、現実的な意味を持つ釣り方だと感じている。
必要な道具は、アユイング用ロッド、リール、アユイング用ルアー、掛け針が基本になる。ただ、実際にはそれだけでなく、友舟(釣ったアユやオトリ用のアユを川の中で活かしておくための舟形の容器)やウェーダー(胴長靴)など、アユを扱うための装備もあると便利だ。筆者は友釣り兼用のアユイングギアを使っているが、こうした装備を見ると、アユイングが単なるルアー遊びではなく、川でアユと向き合う釣りであることがよくわかる。
アユ釣りが初めての方は、まず釣具店で道具立てや入川時の注意点についてアドバイスを受けることもおすすめしたい。
縄張りを持つアユは侵入者を追い払う際、生殖器に近い尻ビレ付近を狙って攻撃することが多い。そのため掛け針はルアー後方から指3本分ほどを目安にセットし、野アユにダメージの少ない背中に針掛かりするようにするのが基本である。
掛かったアユは、その後の扱いも大切だ。アユは自然死すると傷むのが早いので、活かしておくか、氷水でシメてクーラーボックスに入れるのが望ましい。手に取った瞬間、スイカに似た甘い香りが周囲に広がるような良型鮎に出会うと、アユが夏の味覚として愛される理由もよくわかる。
■守るべきルールとマナー、気をつけたい安全面
アユイングには友釣りなどと同様に遊漁券(入漁料)が必要だ。ルールを知らずに川へ立てばトラブルのもとになるため、釣行前には、遊漁券の要否や購入方法を確認しておきたい。
また、アユイングはどこの川でも自由にできるわけではない。河川や漁協によってはアユイング禁止区域が設けられていたり、友釣り専用区ではできなかったりする。さらに、アユイングはキャストして探る釣りだけに、立ち位置や流すコースによっては他人の釣りに影響しやすい。だからこそ、十分な間隔を取り、迷惑にならないよう配慮することが欠かせない。
自分だけが楽しければよいのではなく、同じ川で遊ぶ人たちとどう共存するか。その意識がなければ、アユイングは長く受け入れられる釣りにはならないだろう。友釣りの世界を知る者としても、ここは強く伝えておきたいところである。
川に立ち込んで行う場面も多いため、ルールやマナーと同じくらい安全への意識も大切である。浅く見える場所でも石は滑りやすく、流れも見た目以上に強いことがある。増水時や雨後は川の状況が一変するため、少しでも危険を感じたら入川しない判断が基本である。
特にウェーダー着用時は、転倒すると内部の空気で下半身が浮きやすくなり、態勢を立て直しにくくなる。そのため、ウェーダーの場合は膝より上の水深に立ち込まないのが基本である。可能であれば、川の状況に応じてウェットタイツを使用したい。
■アユイングは「新しい遊び」というだけではない
アユイングは、単に「アユをルアーで釣る新しい遊び」として片づけるには惜しい釣り方。習性を知り、周囲に配慮しながら、そのおもしろさと実用性の高さを楽しんでほしい。