日常の喧騒から離れ、心地よい潮風を感じる大人の趣味を楽しみたい。そんな思いから「釣りを始めよう!」 そう思い立って釣具店に行ってみると、無数に並ぶ釣り竿の種類に圧倒されてしまうビギナーの方は多いだろう。

 「アジング専用」「シーバス専用」「ロックフィッシュ専用」など魚種ごとに分かれた竿を前に、「海に行って色んな魚を釣ってみたいんだけど……」と悩んでしまうはずだ。

 ここで「とりあえず一番安い初心者セット」と妥協するのは、少し待ってほしい。実は、堤防釣りのほとんどの魚種に対応できる“万能ロッド”が存在するからだ。

 本記事では、初心者の最初の相棒にふさわしい“万能ロッド”の正体と、その選び方を解説する。

■「とりあえずの安物」と「専用竿」の落とし穴

 竿やリール等を扱う釣具店やネット通販を覗けば、大抵は数千円ですべてが揃う「初心者入門セット」が販売されている。

 状況はやや違うが、筆者もエギングを始める際に、安価なエギングロッドを購入したことがある。早速使ってみたところ、張りはあるがしなりが悪く遠くに投げられず、エギをシャクる際にもずっしり重く感じてすぐに疲れてしまい、30分もたたず竿を置いた。そのときすでにほかの釣りではさまざまなロッドを使用していたため、竿の重心バランスや張りとしなりのバランスの重要さを痛感したのである。

 初心者用の安価なセットには、このような竿が使われていることが多いのだ。かといって、最初から特定の魚に絞った専用竿を買うと、季節が変わり別の魚を狙いたくなったときに使い回しがきかない。

 心地よく釣りを楽しむために目指すべきは、一日中振っても「疲れない軽さとバランス」。そして「狙う魚が変わってもそのまま使い続けられる汎用性」である。

■最初の1本は「エギングロッド」が正解

7.1フィート+リール2500番を合わせたエギングタックル

 筆者が最初に試した安物のものでは失敗してしまったが、特定の魚種にこだわらず色々な釣りを楽しみたいなら、本来アオリイカを狙うエギングロッドを正規の価格帯のものから選ぶのがおすすめだ。

 失敗しないための予算の目安は、エギングロッドは16,000円前後、リールは6,000円前後を目安にするとよいだろう。この価格帯の道具なら、本来のエギング(イカ釣り)の相棒として長く一線で活躍してくれるのはもちろん、ほかの釣りにおいても幅広く、そして快適に対応できるからだ。国内有名メーカーの製品を選べば失敗は少ない。

 激しく竿を振るイカ釣り用に軽くバランスよく作られており、感度も抜群。この適度な張りと軽さのおかげで、撒き餌と複数の針を使って釣るサビキ釣りから軽いオモリを使ったチョイ投げ、タチウオなどのルアー釣りまで幅広くこなせる万能ロッドである。

 ただし、1g前後の極小ルアーを投げるアジングには硬すぎて向かないため、アジはサビキで狙おう。

 長さは扱いやすく遠投も効く7~8フィート。竿の硬さはMLかMがおすすめだ。