筆者は「登山での必須装備はなにか?」と聞かれれば、「ドライインナー」と答える。登山では長年finetrack (以下、ファイントラック)の「ドライレイヤーベーシック」、次いでmont-bell(以下、モンベル)の「ジオラインクールメッシュTシャツ」を愛用してきた。
この2点は着用した際の快適さから、もはや手放せないアイテムだ。しかし、負荷の小さな里山や低山、ハイキングの場合には快適さは抜群だが、行動時間の短さや運動負荷の小ささといった点から優れた機能を十分に発揮する前に終わってしまうことも多い。また、扱い方には留意を必要とする点もあり、二の足を踏んでしまう。
そんなときに見つけたのが、ワークマンの「シン・呼吸するインナー」だ。昨年の夏から導入し、低山やハイキングで何度も使用した「シン・呼吸するインナー」。これまで愛用してきたドライレイヤー、ジオラインクールメッシュTシャツとどう違ったのか、体感をレポートする。
■登山においてのドライインナーの役割
登山でドライ系のインナーを着用する理由は、汗の処理を効率的に行い、汗によって体が必要以上に濡れた状態になることを防ぐ点にある。
山で体や衣服が濡れた状態で強い風に吹かれると、あっという間に体温が奪われる。秋冬の気温が低い季節だけでなく、真夏にも起こり得る。最悪の場合には低体温症に陥り、命にも関わる事態にも発展する可能性もある。
また、汗で濡れた衣類が張り付く不快感を和らげ、製品によっては防臭性能に優れたものもあり、たっぷりと汗をかいた状態のストレスを緩和してくれる。
筆者が愛用しているファイントラック「ドライレイヤーベーシック」とモンベル「ジオラインクールメッシュTシャツ」は、登山で着用するインナーとして求められる機能を非常に高いレベルで備えているのだが、果たしてワークマン「シン・呼吸するインナー」は、どれほどの機能性を備えているのか。それを確かめるには実際に低山やハイキングで使用してみるのが一番だ。
■「シン・呼吸するインナー」を低山登山やハイキングで使ってみた
筆者は「シン・呼吸するインナー」を着用し、日陰の多い低山の森林地帯や整備された緑地、日光を遮るもののない灼熱の車道歩きといった1,000m以下の低山登山や里山ハイキングを7~8月の夏から12~2月の冬、そして3~4月の春にかけて何度も行った。
結果から述べると、「シン・呼吸するインナー」はアウトドアで使用するドライインナーとして十分な機能を備えているといえる。
たっぷりと汗をかいたときや、長時間着用した場合でも、必要以上に濡れる不快感と汗冷えを見事に防いでくれた。
長時間着用してもストレスがない肌への当たりも好印象だった。安価なインナーはどうしても縫製部分の凹凸が気になったり、チクチクしたりしてしまうのだが、それがない! 臭いに関しても鼻を密着させて嗅げば臭う程度で、防臭効果も期待以上だった。これだけの機能を有して2枚組で980円(税込)はお得だ。