■彩り豊かな登山道!  初花に元気をもらって山頂へ

 湿原に別れを告げ、登山口を目指す。湿原から登山口までは緩やかな登りだが、登山口から山頂までは0.6kmで標高160m以上を登るタフなコースだ。登山道はよく整備されており、急登はあるものの危険箇所は少ない。登山初心者でも無理のないペースで歩ける一方、雨天時は木の根や土の斜面が滑りやすくなるため、慎重な足運びが求められる。このエリアでは、湿原の優しげな色調とは対照的な、力強い色彩の花々が迎えてくれる。

 登山道の脇に目を向けると、段々に重なるようにして咲く「クリンソウ」。一株にたくさんの花を咲かせ、濃いピンク色が鮮やかだ。また、朱色の「レンゲツツジ」も登山道に華を添える。新緑の緑、クリンソウのピンク、そしてレンゲツツジの赤。このビビッドな色彩の共演は、曇り空のグレーを吹き飛ばしてくれそうなエネルギーに満ちている。

 ここから山頂まではあと一踏ん張り。花にパワーをもらって最後の急坂へ向かう。

濃いピンク色の花を咲かせるクリンソウ
登山道を彩るレンゲツツジ

■360度の大パノラマ…… は見られるのか!?

 登山口から30分ほど登れば、入笠山山頂に到着! 山頂は視界を遮るもののない360度の大パノラマ。天気がよければ、八ヶ岳、富士山、南・中央・北アルプスを一望できる日本屈指の展望スポットだ。もし雲が多くて遠望が効かなくても、がっかりすることはない。流れる雲の間から見えるダイナミックな山肌や雲海は山にいることを強く実感させてくれる。

 梅雨時期は視界が開けないことも多いが、その分、雲の流れや霧の変化を間近に感じられるのもこの時期ならでは。

この日は山頂だけ、ぽっかりと青空が広がっていた
雲間に浮かぶ八ヶ岳
雲がなければ富士山も見える

■雨の季節だからこそ、入笠山の「息吹」を感じよう

 6月の入笠山で出会えるのは、合計120万本のスズラン、希少な釜無ホテイアツモリソウ、そして湿原を彩る色とりどりの花々。たとえ予報が「曇り」でも、ここは訪れる価値がある。むしろ、霧に濡れた花びらの美しさや、静寂な湿原の空気感は、この時期の入笠山でしか味わえない醍醐味だ。

 登山は必ずしも「晴れていること」が正解ではない。条件に合わせて山を選べば、梅雨の時期でも十分に楽しめる。「どこに行くか」ではなく、「どんな条件で楽しむか」。その視点で見たとき、入笠山は梅雨の登山先としてバランスのよい一座と言えるだろう。

 なお、強風や大雨など荒天時はゴンドラが運休になる場合や、山間は霧が立ち込めて視界不良となることもある。天気予報で降水量や風速などを確認して、決して無理はしないように。また、コースはよく整備されているが、雨の日は足元が滑りやすくなっていたり、ぬかるんでいる場合がある。滑りにくい靴やトレッキングシューズ、動きやすい上下セパレートのレインウェアは必須装備だ。しっかり準備を整えて出掛けてほしい。 

※花の開花情報や、ゴンドラ、無料送迎バスの運行情報などの最新情報は富士見パノラマリゾートホームページでご確認ください。 

https://www.fujimipanorama.com/summer/

【交通アクセス】
・入笠山は自動車、電車でのアクセスが良好
・自動車の場合はゴンドラ駅のある富士見パノラマリゾートまで中央自動車道・諏訪南ICから約7分。駐車場は1,300台駐車可能
・電車の場合はJR中央東線・富士見駅から富士見パノラマリゾートまで無料送迎バスで約10分

●【MAP】入笠山

【富士見パノラマリゾートゴンドラ山頂駅~入笠山往復コース】所要時間
山頂駅・すずらん山野草公園(0:00)→ 入笠湿原(0:15)→ 入笠山登山口・花畑(0:25)→ 入笠山(0:55)→ 入笠山登山口・花畑(1:15)
→ 入笠湿原(1:25)→ 山頂駅(1:45)
歩行距離: 約3.6km
累積標高差:登り 320.6m、下り 320.6m
合計所要時間:1時間45分