冬に公園の樹木をよく観察すると、樹洞の中に「黒と赤の虫」が集まっていることがある。見たことがある方は、奇抜な配色の虫がうごめいている様子に、驚きを感じたに違いない。

 この昆虫の正体は、「ヨコヅナサシガメ」。一般的にはマイナーな虫であるため、詳しく知らない方も多いだろう。いったい、どんな虫なのか? そして、なぜ集団で樹洞の中にいるのか。

 早速、解説をしていこう。

■ヨコヅナサシガメはどんな虫?

 ヨコヅナサシガメは「カメムシ目サシガメ科」に属する昆虫だ。もともと日本に生息する種ではなく、中国やインド、東南アジアを原産地とする外来種である。

 まずは外見に注目してみよう。シルエットだが、一般的にイメージするカメムシとは異なり、非常にシャープな形をしている。これはサシガメに共通する特徴だ。

 そしてなんといっても気になるのが、腹のふちだ。まるで「力士の化粧まわし」のような形状をしているが、これがまさに”ヨコヅナ(横綱)”の名前の由来である。

「力士の化粧まわし」を持つヨコヅナサシガメ

 ちなみに、大きさは2cm前後。これは国内のサシガメの中でもかなり大きい方だ。そのため野外でも存在感があり、意識して探してみるとじつは比較的簡単に見つけることができる。