物価の上昇はスノーギアも影響を受けており「長く使えるギアを選びたい」 そう考える人も少なくないでしょう。
トレンドより実用性、派手さより長く使える色。トリノ五輪代表の吉岡大輔さんに、越後湯沢のスキーショップ「クレブスポーツ」で後悔しないウェアと板の選び方を教えてもらいました。世界最先端のチューンナップマシンやコーヒースペースを備えた、滑り手が集う場所の魅力にも迫ります。
■オリンピアンが教える「長く使えるウェア選び」の基本
今回お話を伺ったのは、2006年トリノオリンピック、アルペンスキー・ジャイアントスラローム日本代表で、全日本スキー技術選手権大会3回優勝の吉岡大輔さん。現在はスキースクールの主宰や解説など幅広く活躍されています。
まずは長く使えるスキーウェアの選び方の基本について。吉岡さん曰く「トレンドより、2〜3年使えるカラーや柄を選ぶことが大事ですね」とのこと。色選びでは、自分自身が飽きない色を選びましょう。吉岡さんはグレーや黒など落ち着いた色のセットアップ(上下同じ色でコーディネートすること)が好きだそうです。
写真映えを考えるなら、カラーの選び方はちょっと変わります。店頭の鏡で見て「ちょっと派手かな」と思うくらいが、実際に滑ると映りがきれいに見えるそうです。一方、白は体の動きを誤魔化せる反面、しっかり滑りを見せたい時には見えづらいかもしれないとのこと。
機能面では、アウターは中綿が入っていないタイプを選択するのがおすすめ。レイヤリングが柔軟になります。気温に合わせてハイシーズンは中にダウンを着用し、春はシェルだけで滑れるので、シーズン長く対応できるのです。こうした選び方をすれば、一着のウェアを長く愛用できます。
■滑り方で変わる! 後悔しないスキー板選びの3ステップ
スキー板選びには、3つのステップがあります。
【ステップ 1】
「自分がどんな滑りをしたいか」を明確にすること。パウダー狙いなら浮力がある太めの板、ゲレンデできれいにターンするならサイドカーブがきつい板(見た目にくびれて見える)、トリック系ならやりたいトリックの種類やスキルレベルによって変わります。
どんな滑りがしたいかが明確になっていないなら、スタッフに相談すると良いでしょう。あなたがどんなスキー・スノーボードが好きなのか、どんなことをしたいかを聞きながら提案してくれるので、失敗が少なくなります。
【ステップ 2】
形・長さをやりたいことに合わせること。
【ステップ 3】
ビジュアル(ブランド、ロゴ、色)で最終決定です。吉岡さんのアドバイスは「スキーの場合、形と長さが自分のやりたいことに合っていないと、理想の滑りに近づくことが難しくなります。もし、選び方がわからない場合は、ショップのスタッフに相談しましょう。経験豊かなスタッフを頼ることで自分の理想に近づけますよ」とのこと。
今シーズン、吉岡さんはアンバサダーとしてVAN DEER-Red Bull Sports(ヴァンディア-レッドブルスポーツ)の板を使用します。世界トップ選手マルセル・ヒルシャーが開発に関わるブランドで、アルペンのワールドカップ技術系種目で勝利を収めた実績があります。
「世界のトップにいる選手が作るスキーってどんなスキーなんだろう? 今からとてもワクワクしています」と吉岡さん。「完璧へのこだわりを極めた時、魔法がおこる」──マルセル・ヒルシャーの情熱が生んだ、パフォーマンスと革新の頂点を極めたスキーギアで滑走する吉岡さんの姿が楽しみです。