釣りの魅力の一つに、自分で釣った魚を食べるという贅沢な楽しみがある。釣ったばかりの新鮮な魚を食べることができるうえ、スーパーなどでは手に入りにくい魚を味わえるのも釣り人ならではの贅沢だ。しかし、手に入りにくい魚はなかなか釣れないかというと、決してそのようなことはない。秋冬だからこそ釣れやすく、初心者にこそ狙ってほしい美味しい魚が数多くいる。その中から、筆者がおすすめしたい魚3種類を紹介する。
■メッキ
「メッキ」というのは魚の正式名称ではなく、ロウニンアジやギンガメアジ、カスミアジなどの幼魚を総称する俗称だ。釣りをしない人にしてみれば、聞いたことすらないというのが多数ではないだろうか。店頭であまり見かけない魚であるため、認知度も低いが、とても美味しい。食べ方はマアジと同じで、フライや干物で美味しくいただけるが、25cm以上のメッキであれば刺身がおすすめだ。脂が多くシマアジのような食感で、味は濃厚。
メッキは目が大きく俊敏な魚である。ルアーをゆっくり動かすと簡単に見切られてしまうため、ルアーを速く動かすのがコツ。河川が近くにある堤防で、明け方や日没前後の時間帯で釣るのがおすすめだ。サイズのわりに引きが強く、ルアーを盛んに追ってくるので、釣って楽しいターゲットである。
■カマス
春先と秋から冬にかけて旬を迎えるカマス。とくに秋から冬にかけて釣れるカマスはサイズも大きくなっており、脂がのったまさに旬である。
潮が動きやすい堤防の先端が狙い目だが、より大きなサイズを求めるなら、砂浜の波打ち際から狙うサーフにチャレンジしてみても面白い。肉食魚であるため、ルアーへの反応がとてもよく、ルアーフィッシングの経験が少ないアングラーにおすすめしたいターゲットだ。
「カマスの焼き食い一升瓶」という言葉があるほど、カマスは美味しい魚だ。とくにカマスの皮が美味しく、ほどよい焦げ目が味わえる塩焼きがおすすめ。
■黒ムツ
大きな目と大きなキバが愛らしくもある黒ムツ。筆者は堤防で釣れる中でもっとも美味しい魚だと感じる。高級魚であり深海魚でもあるが、20cm前後の幼魚は水深10m以内の浅いところに生息しており、堤防や磯でよく釣れる。小さくても濃厚な味に変わりなく、煮つけや塩焼きにして食べるのがおすすめだ。
堤防で黒ムツをもっとも効率よく狙うには、オモリと針が一体化したジグヘッドに青イソメをつける仕掛けがおすすめ。ポイントは堤防の際やテトラポットの周りを狙ってみよう。カサゴやアイナメなど美味しい魚も釣れるので、ぜひチャレンジしてみてはいかがだろう。
■「アジングロッド」のすすめ
釣りの経験が少ない初心者にとって70cmを超えるような大型の魚を釣るのはなかなか難しい。しかし今回挙げたターゲットは大きくても30cm未満であり、大型魚に比べると生体数が多いうえ、警戒心が薄いため、釣れる確率が高い。そこで、これらの魚に適した竿としておすすめしたいのが「アジングロッド」だ。小さく軽いルアーなども扱いやすいように設計されており、魚からの反応が手元に届きやすいという大きなメリットがある。魚からの反応が得られることで期待感が生まれ、自ずと釣りに夢中になれることだろう。
■自分で釣った魚を食べることで命の尊さを感じる
まな板の上で跳ね上がる魚を見ると、少々忍びない気持ちになる。これまで何度も釣った魚を捌いてきたが、毎度湧き上がる感情だ。しかしそう感じさせてくれることで、食べ残すことに罪悪感が生まれ、ありがたく美味しく食べ切ろうという思いが強まる。釣りは単なるレジャーではなく、命の尊さと食の大切さを身近で体験できる優れたアクティビティだ。自ら釣った魚を自ら調理し、食べるという釣りを楽しんでみてはいかがだろうか。