1月にもなると標高の高い山には雪が積もり、ゲレンデが続々とオープンする。雪に覆われた山は夏にはない荘厳な姿に変わり魅力に溢れるが、同時に難易度も上がる。雪山に登らないハイカーにとっては山行をするのが難しくなる時期だが、今回はそんな人たちに向けて冬でも比較的降雪の心配が少ない山を紹介したい。

■童話「金太郎」ゆかりの山、箱根一望に富士山の絶景【神奈川県、静岡県・金時山】

山頂にある金太郎のシンボル「まさかり」仕様の標識

 金時山(きんときやま・標高1,212m)は神奈川県と静岡県の県境にある山で、金太郎こと坂田金時(さかたきんとき、幼名が金太郎)が山名になっている通り、金太郎ゆかりの山として知られている。

 金時山は日本三百名山に名を連ね、箱根をぐるりと囲む外輪山の最高峰だ。山頂からは箱根や芦ノ湖を一望できるだけでなく、富士山の景色も楽しむことができる。富士山までの間に視界をさえぎる山がないため、麓から富士山山頂までを望むことができ迫力満点だ。

 金時山へはいくつもの登山道が延びているが、金時見晴パーキング登山口から矢倉沢峠を経由し、金時山を目指すコースが最短ルートになる。所要時間は山頂までが約1時間5分、往復だと2時間ほどだ。矢倉沢峠から金時山までは急登になるため登りがいも感じられ、短いルートで山頂を目指すだけでなく、しっかりと登山も楽しめる山だ。

金時山から箱根山や芦ノ湖を望む 

●【MAP】金時山

■氷の花を付ける「シモバシラ」と丹沢山地のパノラマを満喫【神奈川県・仏果山】

冬にしか見ることのできない氷の結晶「シモバシラ」

 仏果山(ぶっかさん)は神奈川県にある標高747 mの山で、丹沢山地の東部に位置し、都心からも近い。仏果山登山口から山頂までは約1時間35分、静かな森の中を歩くのだが、冬しかみられない楽しみもあった。

 冬の冷え込んだ森で足元をみてみると、白いかわいい花が咲いていた。この花はシソ科の「シモバシラ」という多年草であり、冬になると地上部は枯れてしまうが、根から吸い上げられた水分が地上部の枯れた茎から染み出して氷点下の外気に触れて氷の結晶となる。それがいくつもの層になったのが「氷の花」だ。筆者が初めてシモバシラの花に出会ったのも、ここ仏果山だ。

 仏果山の山頂は木々に覆われているため眺望はないが、山頂に建つ展望台からは丹沢を代表する山々を一望できる。都心からほど近い場所で、これだけの自然を感じられるのは貴重だ。仏果山登山口からの往復所要時間はおよそ2時間40分で、日照時間の短い冬でも訪れやすい。標高がそこまで高くないからといって侮らず、防寒着と軽アイゼンなど滑り止めは必ず携帯したい。

仏果山山頂から望む丹沢山地

●【MAP】仏果山