12月は外出時はもちろん、室内でも「寒くて動きたくない」と感じることが増えてくる時期だ。そんなときに役立つのが、アウトドアウェアの着方で定番となっている“レイヤリング”という重ね着の考え方である。役割の違うウェアを重ねてウェアの中の快適性を上げ、状況によっては着脱して体温や蒸れを調整できる。今回は、このアウトドアの“服装術”を、普段の暮らしでも実践できるコツとして紹介したい。
■寒さを我慢しない“重ね着上手”になろう
「寒いから厚手の服を着込む」という発想は、寒い屋外に長時間いるときには有効だが、暖房が効いた室内などでの温度調節がしづらく、日ごろの生活では不便に感じることも多い。一度汗をかくとそれが冷える原因にもなるし、服がかさばって動きにくくなることもあるだろう。レイヤリングは、機能性の高い衣類を重ねることで、体温の調節をしやすくするアウトドア発想の基本テクニック。通勤や買い物、散歩など、日常のシーンでも十分に活かすことができる。
■ベーシックな“3層”でレイヤリングをしてみる
●ベースレイヤー(肌着)で「汗冷え」を防ぐ
もっとも重要なのは肌に直接触れるインナーである。一般的な綿素材は汗を吸うと湿って乾きにくく、体温を奪う原因となる。吸湿や速乾性のある素材がおすすめだ。
●ミドルレイヤー(中間着)で「暖かさ」をキープ
ミドルレイヤーとは肌着とアウターの間に着るアイテムのことだ。服の間に空気の層を作って保温したり、ベースレイヤーから出た湿気を外側へ逃がす役割を担う。フリースや薄手のダウンなど、素材が持つ性質と機能の組み合わせによって種類がとても多い。気温や感じ方によってミドルレイヤーを重ねる場合もある。軽さと着脱のしやすさをポイントに、厚すぎるものは避けたい。
●アウターレイヤー(上着)で冷気や雨風をシャットアウト
冷たい風を遮るだけで体感温度は大きく変わる。温かい空気の層を逃さず、外部からの雨風から身を守るアウターを重ねよう。防風や撥水性のあるアイテムを選べば、冬の屋外でも快適に過ごせる。