◼️️京都一周トレイルの入門的コース「大文字山」
京都一周トレイルの中でも、とくに人気なのが大文字山。蹴上(けあげ)駅から大文字山を経て銀閣寺へと下りるコースは、道のりがわかりやすく登山者がそれなりにいるから、初心者や初めて歩く人にも心強い。町中の喧騒とはかけ離れた静寂の道でもあるのだ。
見どころにも事欠かない。琵琶湖疎水とインクライン、京の伊勢こと日向大神宮、石川五右衛門の台詞「ああ絶景かな絶景かな」で知られる南禅寺、厳かな雰囲気の最勝院奥の院、その名の通り金魚がたくさんいるナゾの金魚の池、そして大文字山の山頂と、登山者を飽きさせない山である。明るい森の雰囲気や適度な傾斜の登山道もまたよい。足を止めたくなる場所が多く、それが休憩の絶妙なタイミングとなる。
◼️️山頂よりも火床からの眺めが超絶景!
眺めのよさなら、大文字山の山頂よりも火床の方に分がある。火床とは、夏の五山の送り火の文字を火で形作るポイントのこと。山頂から下りてくると、樹木に囲まれた登山道が急に開けて壮大な眺望が広がる。そのあたりから「大」の字がはじまり、しばらく絶景を楽しむことができるわけだ。
そのまま下山すれば銀閣寺や哲学の道へと下りることができ、西へ進むと吉田山と京都大学を横切ってゴールの出町柳駅へと到達する。時間にゆとりがあれば、鴨川デルタに寄り道するのも楽しい。飛び石を渡ったり、夕陽を眺めたり、ここに集う人たちはみな思い思いに時間を過ごしている。
この大文字山コースは、人気の観光地でも、じつはちょっと山に入るだけで静けさを取り戻すことができるという、お手本のようなコースだ。のんびりと人の少ない静かな京都を味わいたいなら、京都一周トレイルは外せない。
<低山トラベラー厳選。大文字山周辺の立ち寄りたいスポット>
【パン】五条大橋からほど近い「Slo」のパンが絶品!
【神社】日向大神宮の奥にある「伊勢神宮遥拝所」。ここから左大文字も見える!
【墓参り】同志社大学の創始者新島襄と奥さま八重の墓
【トイレ】銀閣寺橋西詰トイレまで、山中にトイレなし
【カフェ】吉田山の「茂庵」は素敵空間!
【銭湯】出町柳駅までの途中にある「東山湯温泉」。ビートルズがあふれている!