■奄美大島の最高峰、湯湾岳へトレッキング

道の駅「奄美大島住用」、黒潮の森マングローブパークの展望台からのマングローブ原生林の眺め

 島の南部に位置する湯湾(ゆわん)岳は奄美大島最高峰で、標高694mです。一帯は世界自然遺産にも登録されています。

 移動の途中、道の駅「奄美大島住用(すみよう) 黒潮の森マングローブパーク」に寄って、展望台から住用川の流れに沿うように広がるマングローブの森を見下ろします。ゆるやかに流れる川のまわりは、鬱蒼としたマングローブに覆われており、日本だということを忘れてしまいそうな眺めでした。

 さて、目的の湯湾岳へ。今回は一番短い大和村からではなく、長めの宇検(うけん)村の湯湾岳公園からのルートを選びました。といっても山頂部まで1時間ほどです。

湯湾岳公園。赤い大きな鳥居が登山道の入り口でもあります
まるで原始のジャングルをいくようなトレッキング。植生が非常に興味深いですが、勉強不足を否めません……

 大きな鳥居をくぐって歩きだします。木生シダのヒカゲヘゴやオオタニワタリなどが茂り、まるで原始のジャングルのよう。登山道は徐々に狭く荒れ気味になっていきます。ときおり森の奥からは得体の知れない動物たち(?)の声も聞こえてきます。クマがいないので安心ですが、変わりにハブには気をつけないといけません。途中で少し雨に当たりましたが、雨具を着ることなく鳥居をくぐり、山頂部に到着です。

展望櫓からは360度の眺めが楽しめます

 最高地点への道は通行止めになっていますが、木々に囲まれた広場には祠や石碑があり、風化して歴史を感じさせる厳かな雰囲気が漂っていました。木々に囲まれているのですが、展望櫓(やぐら)に登ってみると一気に視界が広がります。あいにくの空模様で海までは見えませんでしたが、世界自然遺産にも登録された森を見下ろすことができます。生い茂った木々は密度が高く、濃密な緑の世界が広がっていました。