鹿児島県霧島市は、国立公園に指定されている霧島連山の南西に「霧島温泉郷」が広がる湯どころ。広いエリアの各所に湯が湧き、山の麓から市街地、西南戦争で薩摩軍兵士を癒した秘湯まで、4つの温泉郷がある。そうした温泉は「霧島連山」を形成する火山群が源だ。また、市内には国宝「霧島神宮」や高千穂峰(たかちほのみね)が一望できる「神話の里公園」など見どころも充実。そこで、秘湯を拠点に霧島の魅力に触れる旅を楽しんできた。
■霧島神宮駅から観光スタート
 
今回の旅では、2024年3月にリニューアルされたJR霧島神宮駅を起点に、国宝指定の「霧島神宮」や買い物や食事が楽しめる「霧島温泉市場」、高千穂峰が一望できる「霧島神話の里公園」などを観光。霧島神宮の最寄り駅となる霧島神宮駅は、ホームの柱や駅舎の外観などが朱色に塗られ、旅がはじまるわくわく感を高めてくれる。まずは、この駅からバスで霧島神宮を目指し、あちこちめぐるプランを立てた。駅前から霧島神宮アクセスバスが運行しているので移動も楽ちんだ。
 
■南九州最大級の神宮「霧島神宮」
 
「霧島神宮」は南九州で最大級の神宮。6世紀に創建とされ、古くは霧島連山の高千穂峰付近に本宮があったという。霧島連山の噴火による焼失と再建を繰り返し、正徳5年(1715年)に薩摩藩主 島津吉貴の寄進によって現在の社殿が建立された。御祭神は天孫降臨の神話に登場する瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)だ。
薩摩エリア独特の絢爛かつ荘厳な社殿は、じっくり眺めていたくなるほど細部まで装飾が見事。地形の傾斜に沿って拝殿、幣殿、本殿が縦に並んでいるのが特徴で、一番高いところにある本殿の向拝柱は、瑞雲に龍が巻きついた極彩色の龍柱になっている。
また、神宮の近くには「霧島市観光案内所」があり、ここで市内観光の情報収集するのもおすすめ。レンタサイクルも利用できるので、電動アシスト付き自転車で観光スポットをめぐるというのもひとつの手だ。
■立ち寄りスポット「霧島温泉市場」
 
霧島温泉郷の中心地となるのが「霧島温泉市場」。おみやげ店で特産品を買い物したり、レストランで地元名物を堪能したり、足湯でくつろいだりと、観光途中の立ち寄りどころにぴったりな施設だ。建物2階には観光案内所があり、ここで観光情報も収集できる。
また、建物前の広場には、温泉の蒸気で温めた温泉たまごや温泉まんじゅう、蒸し野菜などが買える「蒸しもの販売所」もある。広場にテーブルやイスが用意されているので、テイクアウトして手軽に味わえるのががうれしい。
■絶好の展望地「霧島神話の里公園」を目指す
 
霧島温泉市場でひと息ついたら、今度は「霧島神話の里公園」へと移動。ここにはさまざまなレジャー施設が揃っており、遊覧リフトで山を上がると展望広場から霧島の山々や錦江湾、桜島を一望できる。広場には、山が見えるほうに坂本龍馬とその妻のお龍(おりょう)の、海が見えるほうには西郷隆盛の顔出しパネルが設置されており記念撮影も楽しい。
園内ではスーパースライダーやポッカール、パターゴルフが楽しめ、南九州の神話をアニメーションで紹介する神話館などの施設もある。また、「道の駅 霧島ほっと霧島館」を併設し、最大120名収容できる天空レストランで黒豚のしゃぶ鍋やとんかつといった地元名物が味わえる。
 
 
 
 
     
       
     
     
     
     
     
     
         
         
         
         
        