どんな山で一年を締めくくろうかと、楽しい悩みを抱える12月。「ダイヤモンド富士」で知られる山梨県の竜ヶ岳は、まさしく締めくくりにふさわしい山だ。
ダイヤモンド富士とは、富士山の山頂に重なった太陽がダイヤモンドのように輝く様子のこと。竜ヶ岳で拝むダイヤモンド富士は、ぼくにとっては縁起の良い恒例行事で、ほぼ毎年のように通っている。
12月に登る竜ヶ岳の魅力について紹介しよう。
◼️ダイヤモンド富士で、山上のメリークリスマス!
ダイヤモンド富士が見られるのは、朝日が山頂から昇ってくるタイミングか、西に傾いた太陽が山頂へと沈んでゆくタイミングの1日に2回。竜ヶ岳の場合は、朝日で拝むダイヤモンド富士だ。
時期的には、正月をはさむ前後10日間くらいがいい。正月の初日の出はもちろんのこと、休祝日の場合はダイヤモンド富士目当ての登山客でにぎわうから、静かに楽しむなら平日狙いがいいだろう。
ぼくが初めて竜ヶ岳に登ったのは、十数年前の平日のクリスマスのことだった。当時はそこまで話題になっていなかったのだろう、山頂には数人しかいなかった記憶がある。
3年前のクリスマスの朝も、ここで迎えた。その日は日曜日だったこともあり、大勢の登山客が夜明け前に続々とやってきて、山頂は大賑わい。すっきりした冬晴れだったこともあり、くっきりと美しいダイヤモンドの出現に、大きな歓声があがった。あまり人で混みあう山は好みでないけれど、大勢で朝日を出迎えた光景は、とても素晴らしいものだった。元日の初日の出は、めちゃめちゃ盛り上がるらしい。ぼくは未体験だけれど。