●大谷ヶ丸分岐から滝子山山頂へ

山名の通り、音を立てて流れ落ちる滝を見ることができる

 大谷ヶ丸分岐を越えると、道は徐々に急登になり、木の根や岩が頼りのハードな登りが続く。

 山頂直下では森林が薄くなり、岩肌がむき出しの場所が増えてくると日差しが差し込む明るい尾根道へと続いていく。振り返れば、遠く南アルプスや八ヶ岳のギザギザした稜線が広がっており、たどり着いた滝子山山頂では、遮るもののない大迫力の富士山が姿を見せてくれる。

 山頂は広く、ベンチも備わっているので、お弁当タイムにも最適。標高1,620mからの富士展望は、「秀麗富嶽十二景」の名にふさわしい雄大さで、秋の澄んだ空気がその美しさを一層際立たせてくれる。

登山道の中腹。木々が開けて、大月の市街地と三ツ峠をはじめとする山々が見えた

●山頂の景色を堪能し、初狩駅へと下山する

 山頂の絶景を堪能したら、初狩駅方面へと下山する。山頂を後にしてすぐは、やや急な下りが続くので、慎重に進もう。ただ、初狩駅へと下る道は、総じてなだらかな下りが中心となるので、その分周囲の景色を楽しみながら下山することができる。

 足元には落ち葉の絨毯が広がり、色鮮やかに山肌を染めあげ、秋の訪れを感じさせる風情も。最後は林道歩きとなり、川のせせらぎが心地よい音を添えてくれる。

 登山道を抜け舗装路に出ると、あっという間に初狩駅で電車に乗ることができる点も滝子山登山の魅力だ。心地よい疲れが、リズミカルな電車の揺れにほぐされていくことだろう。

■駅スタート&ゴール!  滝子山で秋登山のスタートを切ろう!

 駅から気軽にアクセスできながらも、富士山の大展望や四季折々の自然美、そしてしっかりとした登り応えを味わえる滝子山。秋の登山にぴったりの山であり、次の山行先として強くおすすめしたい一座である。

滝子山山頂に立つ、趣ある「山梨百名山」の山頂標柱だ

●【MAP】滝子山

●【MAP】笹子駅