■冷池山荘テント場は絶景天国! 顔を出せば剱・立山!

 鹿島槍ヶ岳登頂は翌日。宿泊地である冷池山荘にテントを張る。テント場は開けた場所にあり、剱・立山を望む好立地。眺望のいい所からテントが設営されていくため、受付後はぜひ気に入った場所を見つけて設営しよう。冷池山荘は剱・立山に対し東側に位置するため、晴れていれば夕日で赤く染まる空に剱岳や立山のシルエットが浮かぶ景色を楽しめる。筆者が訪れたときは残念ながら雲が上がってきてしまい、夕焼けは楽しめなかった。

絶景を望む冷池山荘のテント場

■早朝出発で鹿島槍ヶ岳・南峰へ。登頂するからこそ望める後立山連峰の眺望

 二日目はいよいよ鹿島槍ヶ岳・南峰を目指す。テントや寝袋など重たい荷物を置いて行けるため、身軽な状態で出発できる。近年はクマの目撃情報が相次いでいることから、食料はテントに置かず、持って行った方がいいだろう。それに10月初旬とはいえ朝晩を中心にしっかりと冷え込むため、防寒着やウィンドシェルも必ず携帯しよう。

 鹿島槍ヶ岳へは約2時間。途中、布引山(ぬのびきやま・標高2,683m)に到着したところで日の出時刻となり、太陽に照らされるモルゲンロートの景色を楽しむことができた。

朝日が照らす北アルプスの雄大な山々

 布引山からさらに稜線を登りつめると、ついに鹿島槍ヶ岳・南峰に到着する。山頂に立って初めて望むことができるのが五竜岳(ごりゅうだけ・標高2,184m)や白馬岳(しろうまだけ・標高2,932m)などの後立山(うしろたてやま)連峰。山頂からは360度の大パノラマが広がっている。北峰を目指してもいいが、南峰と北峰を繋ぐ尾根は「吊尾根(つりおね)」と呼ばれる高度感のある切り立った場所で、経験者向きなので決して無理せず、南峰だけでも十分満足できるはずだ。

鹿島槍ヶ岳・南峰山頂

 日帰りで訪れることが難しい鹿島槍ヶ岳。宿泊するからこそ、特別な時間帯の景色を楽しむことができる。北アルプスは10月末にもなると足早に冬が訪れる。その前に晩秋の北アルプス鹿島槍ヶ岳を訪れてみてはどうだろうか。

 

●【MAP】扇沢駐車場