●駒ヶ岳登山口から最初の山頂「駒ヶ岳」を目指す

 登山口から駒ヶ岳までは、1時間強の短い距離ながらも、変化に富んだ楽しいルートだ。歩きはじめは杉木立の中を進む階段状の道が続き、少しずつ高度を上げていく。道中はアップダウンもあるので、ペースを守って呼吸を整えながら歩こう。途中には木のベンチや展望ポイントもあるので、上手に休憩を挟みながら進むのがポイント。

 およそ1時間で到着する標高1,685mの駒ヶ岳山頂は、小さな広場のようになっており、静かで落ち着いた雰囲気が魅力。周囲を囲む木々の合間からは、スタート地点の大沼や、これから目指す黒檜山の頂が見え、期待も一層高まっていく。

黒檜大神を祀っている、黒檜山の山頂直下に立つ鳥居

●駒ヶ岳から赤城山最高峰の黒檜山へ

 駒ヶ岳から黒檜山へと続く山道は、赤城山登山の魅力が詰まった本コースのハイライトだ。尾根道はアップダウンがあるものの、整備された木道や石段が多く歩きやすい。途中にある展望ポイントでは、大沼の全景や、赤城神社の赤い鳥居、遠く関東平野に至るまで、思わず足を止めてしまうほどの雄大な景色が広がる。

 変化のある山中も魅力の一つで、木漏れ日の森を抜けると突然視界が開けたり、小さな岩場を越えたりと、飽きのこないルートになっている。駒ヶ岳からおよそ1時間弱で、標高1,828mの赤城山最高峰・黒檜山の山頂に到達する。山頂にはベンチがあり、360度ではないものの、北東側の眺望が特にすばらしく、登頂の達成感を味わえる。

黒檜山山頂の展望スポットから、電波塔が立つ地蔵岳を望む

●黒檜山から下山後は、赤城神社にお参りへ

 黒檜山登山口へと降りる下山ルートを進もう。やや急な下りが続くが、注意して進めば、整備された階段やロープなどもあるので、安全に降りることができる。途中、段々と近づく大沼を望むビュースポットがいくつもあり、登ってきた道とは違った角度から景色を楽しめる。

 山頂から1時間ほどで黒檜山登山口に到着、赤城神社は目の前だ。朱塗りの橋と湖面に浮かぶような社殿が印象的で、登山後のクールダウンや参拝にぴったり。赤城神社では登山の安全祈願や旅の無事を祈る人々の姿が多く見られた。

 その他、大沼湖畔を歩ける遊歩道や、スワンボート・手こぎボートが体験できる桟橋もあり、ファミリーやカップルにも人気が高い。夏場はキャンプ、SUP(スタンドアップパドルボード)体験もできるので、登山と合わせて水辺のレジャーに挑戦するのもいいだろう。

 赤城山の縦走登山とカルデラ湖「大沼」での涼スポット体験は、これからの時期にもぴったりの贅沢な自然アクティビティ。体を動かし、心も洗われるような一日をぜひ体験してほしい。

赤城神社近くの売店にて。登山で火照った体に優しく染みるかき氷
静かな水面の大沼には、いくつものボートが浮かぶ

●【MAP】県立赤城公園大洞駐車場

●【MAP】赤城山

●【MAP】赤城神社