◼️火傷に注意!  取り扱いには正しい知識が不可欠

はじめは缶を立てた状態で気化したガスを燃やしてプレヒートを行う

 便利な一方で、万人におすすめできるわけではないなと感じる点もありました。液出し構造のバーナーを安全に使うためには、仕組みを理解し、正しく扱う必要があります。

 通常、CB缶のバーナーはガス缶を横向きに寝かせた状態で使用しますが、液出し構造のバーナーはまず缶を立てた状態で着火して30秒ほどプレヒート(予熱)と呼ばれる作業を行い、その後、ゆっくりと缶を横にして使います。

30秒ほどして、ジェネレーターが十分温まったら、缶を横に寝かせて「液出し」の状態にして使う

 これはバーナーヘッド部にある“ジェネレーター”というパーツを温めるための工程です。気化したガスを使う通常のバーナーでは必要のない手順ですが、ジェネレーターを通過する液体ガスを気化させながら燃焼する「液出し燃焼構造」のバーナーを安全に使うには、ジェネレーターがある程度温まっていなければなりません。万が一、プレヒートを怠ったまま缶を寝かせてしまうと、気化していないガスが盛大に燃え上がり、非常に危険。火傷や火事のリスクもあります。

 また、液出し仕様だからか、火力調整には若干ラグがあったので完璧に使いこなすには慣れが必要です。

◼️厳しい環境下でこそ違いを発揮する

ゴトクサイズを考えると、小型フライパン、中型のクッカー程度までが使いやすい1〜2人向き

 以上のことを踏まえると、「トレックマスター」は最初の1台というよりは、用途を想像して選べる中上級者向け。特に標高の高い場所や雪山など、厳しい環境下でこそ違いを発揮してくれるでしょう。

 プレヒートというひと手間がありますが、なんでも簡単便利になっていく世の中において、この面倒臭さは愛らしさすら感じます。仕組みとリスクを十分に理解したうえで正しく扱えば、コストパフォーマンスに優れるCB缶タイプならではのメリットもあり、山でもキャンプでも非常に心強い存在になってくれそうです。

 

<製品情報>

「TrekMaster(トレックマスター)」

¥12,870(税込)

使用サイズ:幅500×奥行140×高さ105mm

収納サイズ:幅90×奥行70×高さ105mm

重量:約195g

発熱量:2,600kcal/h

耐荷重:2kg

https://soto.shinfuji.co.jp