■AI旅プランで猿島へ! グルメ・歴史・潮風を満喫した一日
当日は天候にも恵まれ、朝から気分も上々。藤沢市の自宅を出発し、最寄りの藤沢本町駅へ向かう。
「AVA Travel」では10時51分発の電車が提案されていたが、旅先でのトラブルも想定し、少し早めの09時44分発・相模大野行きに乗車。電車に揺られながらも「このままスムーズにたどり着けるだろうか」と、少しの不安と旅のワクワクが入り混じった時間を過ごす。
湘南台駅からはブルーラインであざみ野方面へ、さらに上大岡駅で京急本線の快特に乗り換え、定刻どおり11時02分に横須賀中央駅へ到着。ここからいよいよ「猿島プラン」が本格始動する。
●第1アクティビティ:横須賀海軍カレー本舗
横須賀に来たからには、やっぱりカレーを食べずには帰れない。日本人の多くが愛するカレー、そしてこの街では「海軍カレー」が有名とあれば、筆者のテンションも自然と上がる。
向かったのは、「横須賀海軍カレー本舗」。お店の看板には、1階が土産コーナー、2階がレストランとあり、観光気分が盛り上がってきた。
自動扉を抜けてすぐ左手の階段を上ると、少し薄暗くライトアップされた近代日本のモダンな空間が広がっていた。天井から下がるクラシックなシャンデリアが印象的で、まるで旧帝国海軍の士官食堂にタイムスリップしたかのよう。レトロとモダンが交錯する独特の空気に思わず見惚れてしまう。
11時ちょうどの入店だったが、すでに店内はほぼ満席間近。なんとか待たずに席へ案内された。対応してくれたスタッフの女性は、近代日本のレトロな給仕服を思わせるコスチュームを身にまとっていた。あえて“ウエイトレス”でなく“給仕”と呼びたくなる、その雰囲気がたまらない。
席に着くと「よこすか海軍カレーかわら版」というチラシが置かれており、そこには日本のカレーの歴史や「金曜日はカレーの日」の起源など、思わず周囲に話したくなる小ネタが紙面いっぱいに記載されていた。
注文したのは「よこすか海軍カレースペシャル ビーフ or チキン」。サラダと牛乳付きだ。先に出てきた牛乳をひと口飲むと、思わず「濃厚! うまい!」と声が出そうになる。かわら版のQ&Aによれば、カレーの香辛料には食欲増進や消化促進の効能があるとのこと。うん、まさにインドの医食同源、納得。
そして現れたカレーの皿からは、ふわっとスパイスの香りが立ち上り、自然とお腹が鳴る。コク深く、それでいて優しい味わい。旅のスタートを飾るのに、これ以上ない一皿だった。
●第2アクティビティ:猿島渡航と探索
横須賀海軍カレー本舗を出て港へ向かう道すがら、横須賀ならではの空気に思わず足が止まった。迷彩服の米兵たちが談笑し、通りを挟んで歩く日本人。英語で「US Navy Cars」と書かれた幟が風にはためき、アメリカの人気バーガーチェーン「Carl’s Jr.」の看板が異国情緒をさらに強調する。ここはまぎれもなく、日本とアメリカが交差する街だと感じる。



やがて港に到着すると、目の前にはあのNHKで放送されたスペシャルドラマ『坂の上の雲』に登場した戦艦・三笠が現れる。艦内見学に後ろ髪を引かれつつ、時間も迫っていたため、東郷平八郎像とともにその姿をしっかり目に焼きつけた。



行きフェリーの出航前、ターミナルでこの無人島の歴史に目を通す。幕末から昭和にかけて東京湾防衛の拠点だったと知り、期待はさらに高まる。いざ乗船、三笠を左手に見送りながら出航。海の向こうに浮かぶ猿島が近づくにつれ、まるで子どものように胸が躍った。船の揺れ、風の音、波のしぶき。どれもが冒険の始まりを告げている。


上陸してすぐ、まずはバーベキューエリアを確認。砂浜のすぐ脇に整備された施設には、すでに楽しそうに 焼いているグループの姿があった。食材以外の必要なものはすべて島内で調達可能で、食材も釣り上げ魚を使えば、自給自足のアウトドア体験も楽しめる。レンタル料金も2名から6名用のバーベキューセットは5,000円とリーズナブルだ。
洗い場やゴミ捨て場も清潔で、利用者のマナーのよさと運営側の配慮が伝わってきた。当然ながら観光とアクティビティを楽しむ者として、しっかりマナーに気を付けたい。
「釣りをして、バーベキューも楽しみたい」そんな思いを胸に、初めての猿島を探検することに。



観光ルートマップを頼りに、森に分け入る。晴れて穏やかな天気の日差しと、苔むした石畳。赤レンガのトンネルに足を踏み入れると、差し込む光のコントラストがまるで映画のワンシーンのよう。要塞跡では当時の軍備の名残を感じ、鳥のピロピロという不思議な鳴き声とともに歩く道は、都会の喧騒を忘れさせてくれる。



気づけば14時30分。帰りの最終便は17時00分で、バーベキューどころではない。後ろ髪を引かれるように14時45分発のフェリーに乗船。遠ざかる猿島を振り返り、心の中で「また来るよ」と呟いた。
名残惜しい気持ちを胸に、最後のアクティビティ、山下公園の散策へ。旅の締めくくりにふさわしい、穏やかな時間が待っているはずだ。

